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固定資産税の減免制度について【 コロナ対策 】

 コロナに関係する措置は、持続化給付金、家賃支援給付金などのように支給されるもの以外に、減免制度もあります。

 今回は、各自治体が書式を公開し始めた以下の減免政策について説明します。

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免
(※ 2020年10月2日現在の内容です。)

■ 概要

 新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境にある中小企業・小規模事業者等に対して、令和3年度課税の1年度分に限り、事業収入の減少率に応じて課税標準の特例が適用され、事業用家屋及び償却資産に対する固定資産税・都市計画税の課税標準額がゼロ又は2分の1になります。

 (土地や住宅用の家屋は軽減の対象になりません。また、遡って令和2年度分が軽減されるものではありません。)

固定資産税

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■ 対象者

 中小企業・小規模事業者

固定資産税2

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■ 要件

 2020年2月から10月までの連続する任意の3か月間の事業収入の合計が、前年同期と比べ30%以上減少していることが要件です(例えば2.3.4月など)。
 具体的には、

 30%以上50%未満の減少率 ⇒ 2分の1減免
 50%以上の減少率 ⇒ 全額免除

【 注意点!】

 まず持続化給付金や家賃支援給付金等のように「1か月の売上が前年同月比50%以上減少した場合」というような1ヶ月限定の基準がありません。

 そして、特に気を付けるべき点は「期間」です。持続化給付金や家賃支援給付金と対象月の範囲が異なります。図で示すと……

固定資産税15

 それぞれの制度の対象期間が異なるため、例えば10.11.12月の事業収入の合計が前年同期比30%以上減少した場合、家賃支援給付金の対象になっても固定資産税等の減免措置の対象にはなりません。
 また、5月に1か月休業したことで持続化給付金の対象になっても、6.7月が好調で連続する3か月が30%未満の減少幅に収まれば固定資産税等の減免措置の対象になりません。

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【 賃貸業(ビル、マンション、アパート等)】

 新型コロナウイルス感染症に起因する事業収入の減少であれば、賃料の猶予や減額によって事業収入が減少した場合においても、対象になります。

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猶予の場合等には細かい要件があります。

固定資産税14

詳しくは、こちらのリンクをご参考になさってください。

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■ 申告について

1 申告期限

 償却資産等の申告期限である「2021年1月末」までです。
 例えば私の住む高崎市では以下のように申告期間を掲示しています。
 (1/31が日曜の為、2/1)

高崎市

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2 手続き(重要!)

 中小企業庁が作成している<申告の流れ>の図を添付します。

固定資産税4

 本減免制度を用いる場合には、まず「認定経営革新等支援機関等」に確認依頼が必要です(上記図【 ①確認依頼 】)。

 認定経営革新等支援機関とは、税理士や会計士、中小企業診断士、金融機関、商工会議所などで「認定」を受けている機関が該当します(当事務所も認定を受けています)。

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 認定経営革新等支援機関「等」については、中小企業庁で現状、以下のように説明しています。

固定資産税7

 よって、まず本制度を受ける場合には、税理士や金融機関、商工会議所等で確認依頼という手続きが必要になります。

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3 確認依頼に必要な書類

 中小企業庁のQ&Aから抜粋します。

【全ての事業者からの提出が必要な書類】
①申告書(事業収入割合、特例対象資産一覧、中小事業者等であることなどについての誓約など)
②収入減を証する書類(会計帳簿や青色申告決算書の写しなど)
③特例対象家屋の事業用割合を示す書類(青色申告決算書など)
【場合によって提出が必要となる書類】
④ 収入減に不動産賃料の「猶予」が含まれる場合、猶予の金額や期間等を確認できる書類

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4 軽減に関する申告書

 なお、償却資産に関する申告は各地方自治体が窓口になります。
 例えば、私の住む高崎市では軽減に関する申告書は、以下のような書式です。

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 ふむふむ。
 まずは要件を満たすかどうかを書いて、

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 我々支援機関が署名する欄がありました。

 その他に、誓約書であったり、対象となる家屋(事業用)の一覧表等と続きます。

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 詳細は、ご自身が該当する自治体のHPなどをご覧ください。

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■ おわりに

 固定資産税関連の申告は年明けですが、申告に必要な書式が公開され始めました。上記で引用した高崎市も10/1~公開されたものです。(市の公開に合わせ、本投稿も #熟成下書き より投稿に至りました。)

 顧問税理士等がいる場合、一緒に進めていけばOKだと思いますが、そうでない場合には、認定経営革新等支援機関等に依頼する準備が必要です。コロナに怯えながら過ごしてきましたが、今年もあと3か月。できることを1つずつ。

 特に【注意点】として記載しましたが、持続化、家賃支援、この固定資産税減免と適用可否の判定をする「対象期間」がズレている点。制度上、仕方がないのかもしれませんが、ご注意下さい。
(私も常にそれぞれの申請書やパンフレットをカバンにいれています💦)

#税 #ビジネス #コロナ #社内研修

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