今年のホークスはなぜ勝ちきれないのか

自分の問題設定は「今年のSBはピタゴラス勝率が高いわりに実際の勝率が低い。なぜか。」なのでややミスリーディグなタイトルではある。

結論から言うと、

・チーム状態が良かった5月に引き分けが多く、さほど貯金が増えなかった
・点を取れず勝てないが、投手陣が崩れず(失点も少なく)ピタゴラス勝率が下がらない
・空中戦で定期的に大勝をする(実態よりピタゴラス勝率が上がる)

です。

順位とピタゴラス勝率

キャプチャ

実際の勝率に近いピタゴラス勝率のセ・リーグと比べ、パでは両者に乖離があり、特にソフトバンクで乖離が大きいことが伺えます。

期間別チーム成績

キャプチャ2

太字がホークスにとって好ましい、背景赤が好ましくない(今シーズンのリーグ平均得点3.90との差による判定)

この期間の分け方では、全ての区分で勝率<ピタゴラス勝率となっていますが、3・4月はかなり正確な値となっていて、それ以降を問題とすべきでしょう。

全期間で失点は平均より少なく、投手陣と守備は優秀です。問題は打撃。

得点の分布

5月得点

6・7月得点

5月頭にグラシアルとデスパイネが離脱しているのですが、すぐに得点力を落としたわけではなく6月以降に貧打が顕著になります。28試合中に無得点が2回、1得点が9回は重症です。

ただ、その割に、一定の割合で大量得点をを収めていることも伺えます。

6・7月にソフトバンクが大勝を収めた典型的なゲームに、6/5阪神戦(10-2, 甲子園)、6/30西武戦(9-1, 北九州)、7/3日本ハム戦(7-1, 那覇)などがあります。甲斐がホームランを放っている、地方球場という共通点が見い出せ、ホークスの現在の姿をうかがい知れます。

6月打撃成績

キャプチャ3

ホームラン数が2位、 打率・出塁率は6位。

まとめ

ホークスは本拠地にホームランテラスを導入して以降、ホームラン狙いのアプローチを採用し結果を残してきました。しかしながら、野手陣の高齢化が進みに進んだ結果、この方針が悪い方向に回り始めているような印象を受けます。ホームランは出るものの、出塁できていないので点につながりにくいという構図です。

ピタゴラス勝率と実際の勝率の乖離には確率の問題もあり、悪い方に振れている現状は回帰すると考えられるほか、デスパイネ・グラシアル・モイネロの復帰という希望の光もあります。

首位オリックスの貯金も10に過ぎません。優勝最筆頭候補では無くなりましたが、今シーズンについては悲観しすぎることは無い。それよりも、来シーズン以降に向けての野手の世代交代(太古の時代から指摘されているはずなのですが…)がソフトバンクホークスの喫緊の課題でしょう。

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