見出し画像

すこしだけ迷子になる

地域に関わるプロジェクトや旅行で訪れた場所では、滞在時間のなかですこしだけ迷子になることにしている。

集団行動が苦手ということもあるが、地域リサーチが視察ツアーのように組まれていると、どうにか自由時間を獲得して街をさまよわなければという、半ば強迫観念のようなものが出てくる。

たとえば、自分の生活する見慣れた街であっても、知らない道が沢山ある。

ましてや、初めて訪れた街で地域の特色をすぐに把握するのは難しいし、都市部だと建物の高さが邪魔をして地形を理解するのも難しい。

研究者としてではなく、興味・趣味の範疇から街をさまよいたい。

そして、すこしだけ迷子になりたい。なぜなら、迷子になると、街を必死に観察してヒントを探そうとするからだ。

迷子になる方法

さして重要でもない目的地を決めて歩き出す、図書館や博物館などがあるなら、そういったわかりやすいところでいい。

道にある地図を見て、おおよその見当をつけて、歩き出す。途中でどこか、適当な路地を曲がって、意図的に迷子になる。

迷子になった自分は、勝手な見立てを始める「ここに駄菓子屋があるから通学路っぽいなぁ」とか。

大通りまで出てしまったら、バス停の路線図を見て、路線沿いを歩いてみたり(バスルートは最短距離じゃないことも多くてオススメ)とか。

道行く人に「図書館って、どっちですか?」と、聞けたらもっといい。(ほどよい困り具合だから聞きやすい)

本当に困ったら、スマホを取り出して地図アプリを見ればいい。

いきなり、「この街で面白いものはなんですか?」って聞いたところで見えてこないから、自分が迷子になってみて気になったものをキーワードに地元の人と対話をしてみる。

知らないけれどチェーンらしき小さなスーパーとか、わかりにくい場所にある郵便局とか、気になったものを共有すると会話が変化する時がある。

そのために、これからも"すこしだけ迷子”を繰り返したいと思う。

(いわさわたかし/岩沢兄弟

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?