物件を探しつつ、家と家族を“プロジェクト化”してみる。3年間で何ができそう? 【職住近接計画 座談会その2】
生活と仕事の場の距離感を考えなおしたい! 岩沢兄弟の試行錯誤を語り合う座談会、続編をお届けします。理想の「職住近接」を目指し、物件を探したり、家族以外も飛び込んできたり…今月もいろいろありました。
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👱兄ひとし:引越し先、無事にいい家が決まりました。
👩かずえ:わたしも前の座談会のあと、勢いで岩沢一家ゾーンに物件借りてしまいました。これで全員、自転車で10分ぐらいの距離ですね。
🧑兄妻えり: みんな近くになって楽しくなりそう。
🧔弟たかし:ではちょっと千葉生活の作戦会議をしましょうか。
👩かずえ:はい。「職住近接」の「住」がみんな決まったので、次は「職」でよね。働く拠点探しの状況はどうですか?
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家の近くで「拠点」を探して
👱兄ひとし:すごくいい物件があったんですよ。実家(※弟一家と両親が同居)の近く、5年ぐらい閉まっている店舗なんだけど。
🧔弟たかし:気になってたんだよね。ご主人がリタイアされてから閉まったままで。近所のお店のおかみさんに話をつないでもらって、親族の方に中を見せてもらいました。
👩かずえ:さすがの行動力! どうでした?
🧑兄妻えり:わたしも見に行きました。面白かった! いい感じ。掃除や改装は必要だけど、工房兼お店にぴったりで。兄もレイアウトを考えはじめたりして。
🧔弟たかし:でもだめでした。持ち主は売却を考えてるみたいで。「中を見せたらボロボロだし諦めてくれるかな」って思ってたらしいんです、先方は。
👩かずえ:あはは! ボロボロな物件なんてむしろ燃えますよね、岩沢兄弟は。でもそうか、空き物件があっても借りるのはなかなか大変なのかな。
兄と弟、それぞれの拠点が欲しい
👱兄ひとし:このあたりは空き家や空き店舗も多いんだけどね。住む人がいなくなると建物の劣化が進みやすい。だから一旦閉じてしまうと、なかなか開けたり、貸したりしづらくなるんだろうな。借地も多いみたいだから、旧借地法とかも関係あるのかも。
🧔弟たかし:このあいだのお店も開けて見せてくれるところまでいけたのはよかったけどね。諦めずに探していきましょう。
👩かずえ:わたしも知人を当たってみます。条件はどんな感じです? 工房兼店舗にしたいんでしたっけ?
🧔弟たかし:実は兄弟それぞれ「ショップ」と「スタジオ」を持とうかなと話してます。
👩かずえ:一人ずつ別の拠点を持つということ!? おお、すごいですね。
👱兄ひとし:僕と弟がやりたいことを持ち込もうとしたとき、拠点は別のほうがいい気がして。
👩かずえ:昔は一緒にオルタナティブ・オフィスを運営してましたよね。
👱兄ひとし:あの日本橋のスペースは広い空間を区切って使ってました。いまは程よいコンパクトさが重要だと思ってるから、それぞれが小さい拠点を持つ方向で試してみたくて。
兄のショップはアイデアを売る場所
👩かずえ:兄の「ショップ」は、家具や道具の試作工房も兼ねているんですよね、確か。
👱兄ひとし:そうそう。基本は作業場で、週2日ほどお店になる感じ。デザインした家具だったり、そのパーツだったり、家具づくりのキットだったりを売りたい。
🧔弟たかし:僕はそのショップに、兄がお願いしている職人さんたちのネットワークを公開するような機能もあったら面白いと思う。兄はデザイナーだからデザインはするし試作もできるけど、納品用の家具を一つずつつくるわけじゃないでしょ?
👱兄ひとし:そうだね。僕がお店で売るのは、あくまでアイデアやパーツになると思う。デザイナーじゃない人も自分でマネをして家具をつくったり、職人さんに発注したりして部屋をカスタマイズできたらいいじゃない。
👩かずえ:兄って、そういうところオープンですよね。マネもありなんですか。
👱兄ひとし:もちろん、プロのデザイナーにマネされるのは嫌だよ! 僕のデザインって、既製品を組み合わせるようなものも多いからマネしやすいし、そういうことも時々ある。でも、使いたいなら声をかけてくれればいいじゃない。プロが自分のアイデアとしてそれで対価を得られると、なんだかなぁって感じ。
🧔弟たかし:何をデザインしているか見えにくいというのが僕たち岩沢兄弟の課題だよね。ショップはある意味、「これをデザインしました」といえるものを並べて証明する場所も兼ねると思ってます。
弟は常設の配信スタジオをつくる
👩かずえ:では弟の「スタジオ」はどんな役割です?
🧔弟たかし:僕がつくりたいのは映像や音声の配信/収録スタジオ。もともと映像ディレクターとして、いろいろな現場で機材や仕組みをつくってきたものを、仮設じゃなくて常設でやるイメージです。
👩かずえ:たしかに外出自粛期間を経て、テレビもイベントもこぞってリモート収録/配信になりましたよね。ワイドショーとかも出演者がモニターで登場したりして。
🧔弟たかし:そうそう。テレビスタジオでリモート出演者1人につきわざわざ1台づつモニター置いてるのって、重要な気がするんですよね。依代(よりしろ)的な意味で、場所に降り立つ感じがあって。そういう仕掛けとか、空間も含めて配信スタジオのモデルケースづくりはやってみたいです。
👱兄ひとし:でも場所貸しがしたいわけではないんだよね?
🧔弟たかし:うん。あくまでモデルだから、当面は自分たちや仲間が使う感じ。だけど、企業がオウンドメディアや自社用のイベントスペースを持つように、オウンドスタジオ的なものも増えると思うんだよな。
👱兄ひとし:実際、アーツカウンシル東京さんのスタジオづくりのプロジェクトもはじまったしね。兄が空間/家具デザイナーで、弟が映像ディレクターの僕らにばっちり。スタジオがつくりたい人にはどんどん頼んでもらおう。
3年間のプロジェクトとして
👩かずえ:千葉で展開する岩沢兄弟のショップ&スタジオ。それぞればらばらにあって、でも近くで…。面白そうですね。はやく両方をうろうろしたい!
🧑兄妻えり:横で見ててもなんだかヘンテコなことが起きてるなって感じがしています(笑)。
👩かずえ:ですね。こうやって話に混ざっている自分は家族ではないし…そこもヘンテコです。わたしは「3年間のプロジェクトって感じで近くに住みません?」って岩沢さんに声かけてもらったのが大きくて。
🧔弟たかし:しましたね、その話。
👩かずえ:はい。兄夫婦もそのぐらいで考えているって。
👱兄ひとし:うん。千葉はいい場所だし、実家もあるわけだけど、いったんは息子が小学校入る前の期間で考えてみたい。いろいろ試したい。
🧑兄妻えり:わたしも「それならば!」って感じで、えいやと引っ越しを決意しました。息子も千葉で保育園見つかったし。
👩かずえ:えりさんも職場から距離が遠くなるから、なかなかジャンプしましたよね。でもそうやって期限のある「プロジェクト」だからこそ、いろいろな人が関わる余白もできる気がします。
家族の問題はずっと続く
🧔弟たかし:本来、家族って続いていく関係だから、永遠のルーチンなんです。僕も最初の悩みや、その後の家の改装のことなどをnoteに描いてきましたが。
👩かずえ:だからこそ他者を入れたい、家をひらきたい、でも大変…というのは、ここ最近の岩沢家の悩みでもありましたね。とはいえ、外部者であるわたしにもまた事情や家族があるので、プロジェクト化して人を巻き込んでいくと、さらに大変になる可能性も。職住近接の課題と醍醐味ですね。
👱兄ひとし:まぁ、面白がっていきましょう。あ、かずえさん、新しい拠点用に表札つくってあげようか。
👩かずえ:え、いいんですか!? わーい、じゃあ基地探しのお手伝い、がんばります。
▼その後の話
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