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6月19日に想う。観光業の未来

都道府県をまたぐ移動の自粛が解除されました。でも19日の前後で里山十帖の予約状況はほとんど変わりません。予約自体は回復基調ですが、旅に出ることに対して「漠然とした不安」を持っている方が、思いのほか多いと感じています。

世論調査的なデータを見ると、6割が「Go To キャンペーンを利用しない」と答えていますし、さらに今年の夏休みが短いことも加えて、依然として観光の先行きは不透明です。

付加価値は「移動」によって生み出されます。しかも「スピード」によって付加価値は増大します。「モノ」「人」、そして「情報」。現代では情報の移動スピードが重要視されますが、「モノ」や「人」の移動による付加価値がなくなったわけではありません。むしろ実体経済では「モノ」や「人」の移動による付加価値のほうが、はるかに大きいのではないでしょうか。

そう考えると状況はより深刻です。この傾向は各国同じでしょうから(中国など一部の国は違うでしょうが)、「失業率の向上」や「自殺者が増える」といった話をはるかに超えた、悲しい結末に向かう可能性があります。

緩やかな革命が求められている時代とはいえ、今回の落ち込みはあまりに急で、誰も対処のしようがありません。政府がどんな経済対策を打つよりも大切なことは、落ち込んだ人々の心理を回復すること、つまり「漠然とした不安」を取り除くことだと思うのです。

旅に出ることへの「漠然とした不安」。この心理はどこから生まれているのでしょう。現実的には、車で出かければほぼ誰と接触しない旅が可能です。里山十帖では「非接触プラン」を用意していますし、他社でも「非接触」「三密回避」を徹底した運営が増えています(新幹線もガラガラです)。

首都圏の方にとっては、仕事に出かけるより、ランチを食べに行くより、近所のスーパーで買い物するより「非接触」。「うつしてしまう」恐怖心もあるようですが、受け入れ側は「それはそれで仕方ない」と考えています。なぜなら誰だって、インフルエンザにかかる時はかかるのですから。

観光業や飲食業は、(現物型)付加価値産業の中心となりうる存在です。そしてなにより平和産業でもあります。

「漠然とした不安」は、行動しないと消えません。私は3週間前から週に1日、新幹線で東京に出ています。目的は鍼灸院に通うこと。東京駅からタクシーに乗って鍼灸院を往復するだけなので、ほぼ誰とも接触しないのですが、最初はやはり「漠然とした不安」がありました。

そして、松本には毎週通っていますが、4月、5月は正直、かなり不安でした。魚沼一帯は感染者ゼロ地域。「感染しないように、持ち帰らないように」、細心の注意を払って行動していました。でも6月に入ってからはレストランに行っていますし、一昨日の東京では洋服を買いました。

「はじめてのおつかい」のようなちょっとしたドキドキ感。「買い食い」をするようなちょっとした罪悪感。

いろいろと失敗しながら大人になっていく過程が、今、人間には必要なのではないかと思うのです。

※ちなみに下に掲載する写真は里山十帖の清掃風景。毎日着衣を洗って乾かすために大型のガス乾燥機も導入しました。「うつさない」「うつらない」を徹底しています。でも感染リスクはゼロにはなりません。「うつってしまった時は仕方ない」と考えるしかないと思っています。
映像もぜひご覧ください。

2020年6月19日

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