Jディスカヴァー___私は_出版であなたの世界を変えられる__本気でそう思っています_

人類全員が著者になれる! そんな信念で邁進する出版プロデューサー

私が社長になった理由-城村 典子さん-
「高学歴だけどフーテンな父に育てられたからなんでしょうか、世の中というものに、ものすごく不自由な感覚を持った子ども時代でした」と語る城村さん。出版プロデューサーとして会社を経営する城村さん。やりたいことにまっしぐらな性格は、きっと小さいころからだったんだろう、と感じられるほどです。目標に向かって突き進むそのヒケツを教えてもらいました。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

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城村 典子(じょうむら ふみこ)さん

株式会社Jディスカヴァー 代表取締役社長 
スプリングインク株式会社 代表取締役社長
ビームーブ株式会社 代表取締役社長
青山学院大学非常勤講師(出版ジャーナリズム)
2012年まで、出版社に勤務する編集者
出版・書籍の企画・編集者として約30年に渡り、累計300冊以上、著者1,000人以上の書籍を手がける。講談社、角川学芸出版などの出版社に勤務。
2014年6月 (株)Jディスカヴァー設立
2015年 学研アクセラレーター優秀賞受賞
協力会社:出版社みらいパブリッシング・ポエムピース

世の中に対して大きの疑問をもった子ども時代
ジャーナリストを目指して出版社へ

 小さいときはとにかく、決められたこと、囲われている感じがいやで、1人でできることを好んでいました。だから本を読むのも好きでしたね。でも、じつは本が好きというより、あちこちから情報を入手することが好きだったような気がします。
「政治家っておかしくない?」「世の中っておかしいよね」「社会の裏側ってどうなってるの?」みたいなことが気になって、そんなことばかり考えては、自分で調べたいと思っていました。高校を卒業するとジャーナリスト専門学校へ進みました。新聞奨学生制度を活用したので、朝晩の配達をしながらの学生生活です。

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 卒業後は、講談社のグループ会社で契約社員になりジャーナリストへまっしぐらのはずが、学校卒業後まもなく結婚をして子どもを産みました。2人目の子どもができたところでいったん契約終了。それでも記者として働きたくて、時間に融通がつきやすく働けるタウン誌を作っている小さい出版社で記者を始めました。
 当時は、子どもが小さかったので、母や夫などに手伝いってもらいながらでした。もちろん、ママ業としてやらなくてはならない保育園や学校の係なんかもありましたが、周囲の人から「城村さんは仕方ない」と、あきらめてもらいながら、なんとか乗り切りました。
 その会社では、かなり自由に動くことができたので、海外ライツなどさまざまなビジネスにもチャレンジさせてもらい、取締役にまでなりました。が、会社が倒産したことで転職を余儀なくされました。

 次に行ったのが角川グループの角川学芸出版です。途中、新しいレーベルの立ち上げのリーダーを任されました。周りの人からは順風満帆に見えていたかもしれません。でも、私も一定の年齢になり、自分のこの先の人生を考えてみました。このまま会社である程度出世をして、マネージメントに専念して、定年まで働いて、「その先は自分に何が残るんだろう?」そんな疑問が首をもたげ始めていました。
 大好きな編集の仕事、これをもっと生かせることがあるんじゃないか? と思うようにもなりました。長年やってきた書籍づくりで、著者の方たちとの関係に対してもいろいろ課題があるように感じていました。

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パートナーからも「好きなことをやってみたらいいんじゃないか」というアドバイスをもらったと言います。背中を押してくれる人の存在はやはり大きいものなんですね。

定年まで働いて終わるなんてつまらない!
独立は実証実験。失敗したらやり直せばいい

 携わっていたプロジェクトがうまくスタートダッシュが切れたタイミングだったのですが、母の入院をきっかけに思い切って会社を辞めました。みんなからは本当に驚かれましたね。
 私の独立はある意味、実験のつもりでした。自分でいろいろ試してみている感覚です。実験なので、もちろん失敗もあり得ます。失敗したら、やり直して成功するまで試してみればいい、そんな感覚です。現在、私はいくつかの会社を経営しています。これらはみんな実験というか、試しているという気持ちです。

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▲学研アクセラレータープログラムで優秀賞を受賞したとき。

 メイン事業は出版プロデュースです。著者となる人を教育する会社です。出版社時代、編集者は忙しくて著者を育てることはなかなかできませんでした。その部分を私たちが行うことで、より多くの著者が生まれたり、よりよい本が生まれると思っています。ただ売れる本を書くのではなく、その人が何者なのか? 各人の本質的なところまで掘り下げていって、初めて書くべき内容が定まっていきます。口先だけの本なんて誰も必要としていないんです。その部分を徹底的にやります。
 そんな著者育成のための講師依頼も受けていますし、そんな著者の方たちが自分をプロデュースしていく際に必要となる、バックヤード部門やサポートなどをできる会社も始めました。また、著者たちに少しでも多くのチャンスを与えるための、コンテスト運営をする会社を作りました。

 私のビジネス上の信念は、世界中の人たちが自立した社会になることを目指しています。何をもって自立というのかというと、自分に責任をもつことです。北欧では1/2の人口が著書を出しているんです。すごくないですか。でも、私は世の中の人、全員が本を出すべきだと思っているんです。「人類全員著者計画!」と言っています(笑)。本を出すということは、自分の発言への責任が生まれます。そういう世界ができたらいいと思っています。

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城村さんのお話を聞いていると、「本を出すことはそんなに特別なことではないんじゃないか?」「私にもできるんじゃないか?」と思えてくるから不思議です。それは、彼女が本当にすべての人が本を出すべきだと信じているからでしょう。自分が思うところに突き進む彼女の行き先は、非常にクリアです。城村さんの“実験”はこれからも続きそうです。次はどんなことに挑戦するのか、楽しみにしたいと思います。

下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!