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Let'sクリエイティブ! 巨大壁画ワークショップを開催

2020年1月19日(日)晴天★ ずっと実現したいと思っていたOver the wallのワークショップを日本で開催した。ワークショップデザイナーになって初めて手掛けるワークショップであり、私はプロデューサーとして仕切るというスタンス。そして、アートというコンテンツの持つ無限大の可能性! かなり自己満足度が高いので、その気持ちをアウトプットしておこうと思う。

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Over the wall、ミヤザキケンスケとの出会い

私が2年前から手伝っているOver the wall(OTW)の活動。毎年1か国、世界の困難な地域に出向いて、現地の人たちと協働で壁画を描くというもの。

アーティストのミヤザキケンスケが1人で始めたこの活動に賛同した多くのメンバーが加わり、自分たちもその夢に相乗りすることで、自己実現だったり自分のスキルを発揮することで活動を楽しんでいる。

私がミヤケンと知り合ったとき感じたことは、アートというコンテンツで人々を巻き込んでいくことへの憧れと、ミヤケンの描く絵のコンセプトでもある「Super Happy」な世界観。そして、それを実行しているミヤケン自身が放つ圧倒的オーラ☆彡

自慢じゃないが(笑)、雑誌編集者として数々のスター読者モデルを街でナンパし育ててきた私にとって、ミヤケンは確実にスターになる人だった。「この人やこの活動はもっと表舞台に出てくるべきだ!!」勝手にそう思い、そのための手伝いをすることを決めた。

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Over the wallの活動と自分のやりたいこと

OTWはあくまでもプロジェクトベースドの活動で、NPOなどではない。だから、みんなそれぞれの仕事があり、できる時にできることをやる。とはいえ、現地に行く夏まで、約半年かけて準備をし、1か月現地で活動、帰ってくると報告会などがあり、かなり忙しい。現地との交渉や大使館とのやりとり、助成金の申請やスポンサー集め、ファンへのお知らせ、報告会やサポーターへのお礼などなど。

メンバーは個人の事情で参加の度合いが変わる。仕事ではないので、must doではない。会社のように、担当部署やオペレーションが決まっているわけでもない。しかも、活動が年々認められるに従い大きくなり、大変さが増してくる。現在もまさに進行形(笑)

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メンバーはミヤケンを始め、じつはかなり優秀なクリエイター揃い。ウェブページも、報告書やパスポート、写真や動画なども、カッコよすぎて驚いた。他のメンバーも職種はバラバラで、副業や独立して活動をしている人も多い。もちろん、海外に行くプロジェクトなので、みんな英語も堪能!(私がセブ留学したのも、メンバーからの刺激が大きい) つまり、ガチなプロフェッショナル集団だったりする。

とはいえ、プロがそろっていたら最高のモノがが作れるってことでもなく、それぞれの力を発揮できるような形や場を作っていくことが必要。でも、ココではそれが自然発生的に行われているのがスゴイ。

ただ、私はなかなかマッチできず、私のやりたいこと、ココでの貢献が空回りしていた。一時はメンバーではなくイチファンになることも考えた。現地に行くチャンスを2回見送ったのも一因。それでも、「最後に1回は壁画を描きたい!」と思い、未練たらしく居残っていた(笑)

・・・そんなとき、チャンスがやってきた。

日本での壁画アートワークショップ、ついに開催!

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この構想は、じつはかなり前から提案していたもの。もっと日本の人たちに活動を知ってもらい、ファンを増やすためには最適だと思っていたから。

どんなにすばらしい活動を写真や文字で伝えても限界がある。スポーツのような動画向きというわけでもない。でも、絶対にいい! このジレンマを解消するためには、参加型のイベントで、OTW活動の疑似体験をしてもらうのが間違いない! 参加したら一発で好きになる!! そう確信していた。

今まで子ども向けのワークショップは開催していた。が、私がやりたいのは大人向け。あくまでもOTWの疑似体験。

●アートが持つ自己表現の開放
クリエイティビティな体験
巨大壁画をみんなで共創すること

こんな体験、なかなかできない! つまりめっちゃ価値がある!
ぶっちゃけ、成功する気しかしなかった(笑)

アートは言葉がいらないし、子どもも大人もできる

ミヤケンから聞いた話でものすごく共感したことが2つある。ひとつは、「絵を描くことは言葉が通じなくてもできる」ということ。

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▲絵を描くことでコミュニケーションできる。世界各国で共通語になる。

もうひとつはアートの持つ力
3.11の震災後、ミヤケンは悩んでいたのだそう。「絵描きにできることは何か? しかも「Super Happy」な絵って。。。」彼が絵描きとしてではなくく、肉体を使ってボランティアしていたとき、がれきの中、イチ早くみんなのために床屋を開店させることにした店主から、「ココに店があることを伝えるために、元気が出るような絵を描いてほしい」とリクエストされたという。壁画プロジェクトでも、似たようなケースが多く、ケニアのスラム街の学校、エクアドルの女性刑務所、ハイチの国境なき医師団とのコラボによる病院の壁画など。

現地の方たちが一緒にミヤケンのカラフルな絵を描くことで、そこに想いを込めたり、自分の中から湧き上がるものを表現したり、1人ではできないことを成し遂げることによる仲間意識や達成感。

しかも、子どもから大人までが参加でき、正解がないからイチバンを競う必要もない。ただ、自分を表現すればいい自分が解放される。その結果、気持ちが晴れたり、元気が出たり。それがアートの力だ。医療の世界では、アートセラピーなんてものもある。

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▲女性刑務所では、何の罪もない子供たち(刑務所で生まれた子もいる)も暮らしている。女性たちは多くの想いを絵を描くことで表現している。

百聞は一見に如かず? いや体験に勝るものはない!

Over the wallの活動は、見るアートではなく参加し共創できるアートだからこその意味がある。つまり、プロジェクトの疑似体験である「巨大アートを共創する」ことが今回のワークショップでやること。その結果、みんながアートの持つ力を楽しんでくれて、OTWのファンになってくれたら最高。

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新虎ヴィレッジを借りられることになったが、日程は1月。真冬で屋外! 死ぬ。。。が、暖冬のおかげで昼間ならイケる。日が暮れる前に終了させるスケジュール。

年始だから「描き初め会」というキャッチを使用。メンバー発案のナイスアイデア★ 描いた絵を今年のプロジェクト開催地であるパキスタン絵へ運ぶことにして満足度の底上げ、アートコンセプトはパキスタンで有名なデコトラ(現物はリンク先でご覧ください)をオマージュさせるべく、ミヤケンが構想した。

【当日の流れ】

オープニング(今日やることの説明)
下地を塗る作業(適当に区分けされたスペースを好きな色で塗る)
オンリーワンゲーム(下地が乾くまでプチワークショップ)
 ➡言われたお題からイメージできる絵を1分で描く。オンリーワンだった人がすごい!と称賛されるゲーム
ディテール描き(下絵の上に好きなモチーフなどを描いていく)
プチ講座(色の三原色の話)
●よりディテールを描いて仕上げていく(ほかの人が描いたモチーフにどんどん追加していく)
リフレクション(今日の感想を伝え合う)

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編集者がワークショップをする=3D編集者ってこと

メインワークショップはミヤケンが仕切る。彼はワークショップのやり方なんて学んでおらず、参加者の様子を見ながらつくり上げて今のカタチがあるのだが、本当によくできている。みんなが参加しやすいような手順を考え、必要な説明を加え、アートの意味を伝えながら、完成の絵へ導く。

だからこそ、私に課せられたのは、その最高においしい料理の前菜やデザート、それらをサーブするときの心地よさの演出。つまり全体としての場作り。もちろん、当日前後のフォローまで含んだ、トータルコーディネート。

私は元編集者だ。よく勘違いされるが、PCに向かって文字を打つのはライターで、編集者のメインの仕事は企画を考え、プロデュースすること。ワークショップをプロデュースすることは、私にとって1冊の雑誌を作ることと大差ない。コンテンツやサービスの落とし込み先が、紙やウェブからリアルな場になっただけ。

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向かえた当日。晴れ女パワー炸裂(笑)のポカポカ陽気に、参加者の笑顔や夢中になって描く姿を後ろからながめて、最高の気分を味わった。

私が「3D編集者になる!」って宣言していたことが、ひとまず実現できた。しかも、こんなにいいメンバーと一緒に、こんなにいいカタチで。

よくやったね、いわみん★ と自分をホメる(笑)どこまでも自分に甘い。でも、たまにはいいと思う。自分のこともホメて育てていきます(笑)

さ、次は4月の「いすみ鉄道」駅舎プロジェクト!

いすみ鉄道の駅舎に壁画を描くことが決定! 詳細は追ってまた☆彡

下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!