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大きなことを成し遂げたい! 「世界の幸福度を1ミリ上げる」ことが目標

僕が社長になった理由-今西良光さん
顧客や従業員の 声を起点とした経営課題の解決を行うサービス『Emotion Tech』『Employee Tech』を提供するEmotion Teckの社長を務める今西さん。従業員がイキイキと働くことで生産性が高まり、会社も長期的に成長できる社会の実現を目指しているのだといいます。また、本人のミッションは「世界の幸福度を1ミリ上げること」。偉大なる野望へのロードマップを教えてもらいました。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

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今西 良光(いまにし よしみつ)さん

【略歴】
・1982年10月東京都生まれ。
・大学卒業後、新卒で日立製作所に入社。
・2010年ファーストリテイリングに転職し、「ユニクロ」の店舗マネジメント業務に従事。
・早稲田ビジネススクールを経て
・2013年3月株式会社Emotion Techを設立。
2019年10月 自身初の共著『実践的CXM』(日経BP)

ハマる⇒ホメられる⇒もっとがんばる
いい循環が回ると調子づくタイプです(笑)

 小さいころから何かに夢中になりやすいタイプでした。例えばゲームにハマっていたときは、寝落ちするまでゲームをやり続け、目が覚めるとまたゲームを続ける、って感じでひたすらゲーム漬け。大学時代はサークル勧誘で見たダンスに衝撃を受けました。1人女性の先輩がいて男性と同じダンスをしているんだけど、圧倒的に表現力が高くて目を引くんですよ。こんな風になりたいって思ったんですよね。
 コレは、あとからストレングスファインダ―で調べてみてわかったんですが、自分の性格的特長のトップにあるのが“最上思考”で、よりうまくなろうと努力をするのが好きなんです。だからダンスでもめっちゃ練習して、ホメられるとさらに頑張るっていう好循環が生まれていたんです。

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 何か大きなことをして世の中を変えられるような人間になりたいと思っていた僕は、大卒で日立製作所に入社します。ところが、当時周囲で体調を崩す人が続出したりしたこともあり、大企業特有のマネジメントの在り方に疑問を持つようになりました。当時は、何をやっても成果が出ない、怒られる⇒委縮する⇒さらに成果が出ない、という負のスパイラル状態。とはいえ、自分の意見が通すだけの力がないことも痛感し、早い段階で実力を試せるところに行こうと、ファーストリテイリングの幹部候補に応募し、4年勤めた後、ユニクロの店舗マネジメント業務に就きました。

 30歳を前に、このペースでは大きなことを成し遂げることができないんじゃないか、という焦りも出てきて、ここで一発逆転するためには起業しかないな、という思いで、会社を辞めてMBA取得のために早稲田大学に通いはじめました。1年ほどしてさまざまなビジネスアイディアを考えているうちに、一緒に学んでいた仲間と共に起業することにしました。というのも、教えてもらっていた先生に事業計画書を見てもらったのですが、細かいアドバイスなどではなく、「唯一の正解は、やってみることだ」と言われたんです。この教えは大きかったですね。

「一発逆転のために起業した」という発想がすごすぎる、と感じたのは私だけでしょうか?(笑) しかも資金が本当にない状態で借金スタート。思い切りによさにすがすがしさを感じるほどです。「自分はなんて堅物なんだろう。。。これくらい無茶をやってもいいんだな」と勇気をもらえました。

現実はそんなに甘くなかった。。。
からの、上場を目指し、著書を執筆するまでに

「まずはやってみよう!」 と勢いよく始めたモノの、1年くらいは自分たちの給料ほとんどゼロでした。起業して5年目くらいで、自分たちで開発したシステムをあちこちのコンテストなどに応募してみたところ、たくさんの賞をいただくことができ、やっと社会的な信用が得られたところまでやってこられたことを実感できました。
 もちろん、ここに至るまでの道はなかなか厳しくて、会社がスケールしていく過程でスタッフが増え、人間関係で悩みまくってた時期もありました。僕はサウナが大好きなんですが、毎日サウナに行っては『嫌われる勇気』を読んで、勇気をもらってましたからね(笑)。

Emotion Tech(エモーションテック)サービス詳細   株式会社Emotion Tech エモーションテック


 正直、起業したと言ってもそんなにカッコいい感じじゃなかったなと思います。ただ、「やるんだ!」という思いを言葉にして、言葉にしたからにはそれっぽくなろうと進んできただけです。また、自分の記憶のいい面だけとらえるような感じで、自分のストーリーを語ることで、自分に暗示がかかり、よりそれっぽい人間になっていくものなんだと思います。言葉の力ってすごいですよね。

 僕は世界の人々の幸福度をほんの1ミリでも上げることを目指しています。僕の事業はB2Bビジネスということもあり、企業勤めの方たちためのサービスであり、自分が目指す“すべての人の幸せ”になっているのか、という疑問があったりもします。とはいえ、今はこの仕事を全力でやり、IPOも目指したいなと考えています。ただ、ハマりっぽい性格からすると、個人としてある領域でのプロフェッショナルになりたいという野望もあったりしますし、個々人の幸せのためを考えると、人々が会社に入るもっと前段での教育などにも興味があったりします。

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お世話になった早稲田大学大学院教授の木村達也氏が、「Emotion Tech」のリサーチアドバイザーに就任(2019年4月)

自分はオトナになってから、自分が目指すべきミッションを見つけることができましたが、もっと早い段階で自分の人生に向き合うことができる学びがあったらという思いがあるので、これからの子どもたちや親に向けた教育の在り方を教えるような事業というのも非常に興味のある分野です。
 他にもディズニーランドを超えるエンターテイメント施設を作りたい、とか(笑)。やりたいことはいっぱいあって、いつかできたらいいかな、なんて思っています。

取材中に飛び出したホンネは、「社長業をしていると、社長としての自分を演じるようになる」ことがあるのだとか。決してウソではないし、口に出しているうちに、それが真実になってしまうのだそう。理想の自分に近づくためには、理想の人のモデリングをするところから、なんてことも言われています。まずは言葉にする、行動する、それが夢を実現させる近道なのかもしれません。


下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!