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ゼロイチをつくる人たちを支援し、日本の伝統工芸を盛り上げる両立が目標!

僕が独立した理由-常川 朋之さん-
トレードマークはFBアイコンにもなっているもじゃもじゃヘアの常川さん。起業家を目指す人たちが、0➡1を作るお手伝いと、日本の伝統工芸などを盛り上げるための活動をしています。宇都宮と東京を行ったり来たりしながら、多くの人たちを結び付けるハブとして活動。プロフィール写真がバリスタなのは、コーヒーの新規事業をスタートさせたから! その驚くべき発想力に迫ります。

2019年夏、”いわみんプロジェクト”として、社長や起業家、独立して活動している方を対象に100人インタビューを実施しました。彼らがどんな想いで起業し、会社を経営しているのか? その中での葛藤や喜び、そして未来に向けて。熱い想いをたくさんの人に伝えたいと思っています。

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常川 朋之(つねかわ ともゆき)さん

株式会社エンターテイン 代表
栃木県宇都宮市出身
栃木県立宇都宮北高等学校卒業後、私立白鷗大学経営学部へ進学
2001年に商工会議所へ入所
2015年に起業 ビジネスをスケールさせる難しさを味わう
2016年12月にアクセラレーターに参画
スタートアップ支援及び東北アクセラレーター2017、宇都宮アクセラレーター2018、あいちアクセラレーター2018の主担当を務める。
2019年3月「起業家から学ぶ、自分の価値を発見するセミナー」開催
2019年4月に再度起業。

競合を独自調査するのが好きな大学時代
ボランティアにもよく参加していました

 小学生のころは植物が好きで、中学生の時はバイオテクノロジーに興味を持ったりするような子どもでした。高校では生徒会長もやったりしていたので、人前に出たり仕切るのはきらいじゃありませんでした。とはいえ、宇都宮で育ち、東京という都会へ出る勇気はなかったので、大学は地元に近いところに進学しました。
 大学時代はさまざまなバイトをしていたのですが、同じジャンルを掛け持ちして、それぞれの会社のシステムの違いや手法の違いを勝手に調査したり比較したりするのが好きでした。たとえば、塾と家庭教師の違いや、こっちのファミレスではこういったやり方で、こっちではこう、みたいなことを分析して楽しんでいたんです。また当時はボランティアにもよく参加していました。その関係で商店街や商工会議所の方との縁ができて、商工会議所に就職することになったんです。

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 商工会議所の仕事って地元の経営者たちの集まりみたいなもので、会う人たちがみんな経営者だったんです。それで、自分でも何かできるんじゃないか? って気分になって、4年くらいしたときにまずは会計事務所に転職しました。どうして会計事務所だったかというと、2つ理由があって、1つは地元の経営者で伸びている会社の秘訣を知りたかったから。もう1つは、自分の家系は父が自動車整備工、祖父は宮大工で、どちらもお金儲けが決して上手なタイプじゃなかったので、会計についてしっかり学ばないといけないだろうって思いがあったからです。
 ところが、転職してすぐに会計の仕事が向いてないことが判明。営業の会社にまもなく転職しました。そこから半年ぐらいたったころ、商工会議所で役員の方から、「人がいないからまた戻ってこないか?」という声をかけていただき、商工会議所でやり残したこともあるなと思っていたこともあり、出戻ることになったんです。いやはや、若気の至りですね。

常川さんは「父は車の整備工、祖父は宮大工」というモノづくりの家系で育ったそう。独立を志して、地域にいる職人さんをサポートしようとしたあたりは、こういった環境が影響しているのかもしれません。このあとに詳しく出てきますが、1度目の起業ではうまくいかず、今回が再チャレンジなんです。そんな前向きな姿勢もポジティブでとても素敵です。

伝統工芸や地方創生などの分野で
ゼロからイチを生み出すお手伝いをしたい

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 それから9年くらいたったころ、ご縁もあり出会った伝統工芸の方たちのすばらしさをもっと世の中に伝えていかなくちゃという思いが生まれて、起業しました。ビジコン(ビジネスコンテスト)に参加して、いいところまでいったりはしたものの、マネタイズで苦戦してビジネスとしての継続は厳しかったです。
 そんなとき、ビジコンの審査員として出会った人から誘われて、スタートアップ支援のアクセラレーターに参画することになります。僕に任されたのは、日本各地で地方版のアクセラレータープログラムの運営を担当することでした。起業家がつまずくポイントやつらさも自分の経験上よくわかっていたので、彼らに対してのメンタリングも担当しました。事業を大きくするために、彼らを支えて伴走をするのが僕の役目でした。

 それらの活動をしていくうちに、どうしてもビジネスにおいて、十分に力を発揮しきれていない方達がいるという部分が気になりだしました。ビジコンでは、その過程でこぼれ落ちる、つまり採択に至らない人たちがいるのは当然ですが、もう少しサポートしてあげたらもっと事業が大きくなりそうな人たちもいっぱいいるんです。そういった人たちを救い上げる役割があってもいいなぁという思いが強くなりました。
 また、地方にはまだまだたくさんの課題があります。知識やスキル、起業家魂を持った人たちとをうまく結び付けていけば、いろいろな課題が解決されて、世の中もっとよくなる!と考えたんです。

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▲浅草で行っている「起業家の宿」で参加者たちが語り合う様子

 たぶん、自分が起業したときにやり通せなかった思いがあるからこそ、みんなをサポートしたいと思うのかもしれません。起業家を目指す人たちと課題を抱えている地域の方たちをつなぎ、社会課題を解決していったり、事業が大きくなるような支援をする会社として、2度目の起業をしました。

 僕は、どうしてもゼロからイチを生むところに魅力を感じているので、そこのところでのお手伝いをしていきたいと思っています。今でも栃木から東京に通いながら、何か新しいことを始めたい、事業を通じて世の中の課題を解決したいという、スタートアップを目指す人たちと出会うために、さまざまな地域を結び、活動しています。

好きな言葉は、「運命をかけて大きな勝負をすることを意味する乾坤一擲、この言葉の最後を“適”に変えることで、適したタイミング、適した事業で大勝負に出るという意味合い」なのだそう。常川さんにとって、まさに今が起業のタイミングだったのかもしれませんね。日々ものすごい勢いで日本中を駆け巡り、ビジコンやピッチイベントを取り仕切っている様子に、私も頑張らなきゃ~~!という気持ちになります。




下町の2D&3D編集者。メディアと場作りのプロデューサーとして活動。ワークショップデザイナー&ファシリテーター。世界中の笑顔を増やして、ダイバーシティの実現を目指します!