筋トレに取り組んでわかったこと【いわきFC監督・田村雄三ここだけの話～BEHIND THE SCENES⑤】

田村雄三監督自ら執筆する連載コラム。今回はいつもの試合振り返りではなく、いわきFCがチーム立ち上げ当初から取り組む筋力トレーニングについての考察です。

▼プロフィール
たむら・ゆうぞう
1982年生まれ。帝京高→中央大→湘南ベルマーレ
2010年に引退。湘南ベルマーレ強化部スタッフを経て2015年、いわきFC強化部へ。2017年よりいわきFC監督

筋トレでサッカーするわけじゃない。筋トレで勝てるとも思っていない。

今回は、ストレングストレーニングについて書きます。

ストレングストレーニングとは、いわゆる「筋トレ」のこと。私の専門分野ではありませんが、いわきFCがスタートして、私なりに筋トレに取り組んできてわかったこと、感じたことを記載します。そして有料ページには、いわきFCの選手達のデータを特別に載せたいと思います。

「いわきFC＝筋トレ」というイメージを持っている方も多いと思います。まず前提として、我々が目指すのは「日本のフィジカルスタンダードを変える」ことです。

我々が筋トレに取り組むモチベーションとして

・パフォーマンス向上
・ケガをしない身体作り
・サッカーの試合という「興行」において、倒れないこと、90分走り続けること（それらが、見ている人に感動を与えるかもしれない）

などがあります。

我々が筋トレを行うのは、あくまで上記の考えがあるからです。決して、筋トレでサッカーをするわけではありません。筋トレで勝てるとも、思っていません。

答えはすべて「NO」だった。

常識を疑う。

いわきスポーツクラブの親会社・株式会社ドームの安田秀一CEOの言葉です。

サッカーの選手や指導者が持つストレングストレーニングに対する疑問の多くは「筋トレをすると身体が重くなる」「サッカーに筋トレは必要ない」といった、どちらかと言うとネガティブな思いから来ていると思います。

では、本当にそうでしょうか？

本当にサッカー選手に筋トレは必要ないのでしょうか？　本当に身体が重くなり、動けなくなるのでしょうか？　本当にスピードが落ちるのでしょうか？

それまで言われてきたことを疑い、本気で筋トレに取り組んだ結果、答えはすべて「NO」でした。

筋トレで身体を大きく、強くする。そのために必要なのは「正しいトレーニング」をして、正しい食事とサプリメント（プロテインなど）を摂取し、休息を取るという、成長のサイクルを作り上げることだと思います。

まず、自らの身体について知る。

では「正しいトレーニング」とは何でしょうか？