見出し画像

【マッチプレビュー】2022明治安田生命J3リーグ第9節 いわきFC対藤枝MYFC

2022明治安田生命J3リーグ第9節。いわきFCは5月15日(日)、Jヴィレッジスタジアムに藤枝MYFCを迎える。
 
藤枝MYFCは静岡県の藤枝・志太榛原地域(藤枝市、島田市、焼津市、牧之原市、吉田町、川根本町の4市2町。人口約50万人)をホームタウンとするクラブである。
 
この試合の見どころについて、詳しく紹介しよう。

■持ち前の攻撃力で上位をうかがう。

藤枝MYFCの運営会社は株式会社藤枝MYFC、ホームスタジアムは藤枝総合運動公園サッカー場。クラブ名称の「MYFC=マイエフシー」は「わたしの(MYFC)フットボールクラブ(FC)」という意味である。
 
母体となったのは藤枝ネルソンCFという、藤枝東や静岡学園、清水商、清水東など強豪高出身選手が多く在籍した静岡県リーグの強豪クラブ。2010年に東海社会人サッカーリーグ1部の静岡FCと統合。「shizuoka.藤枝MYFC」という名称となり、東海リーグ1部で優勝を果たす。
 
2011年に東海リーグ1部を連覇。第35回全国地域サッカーリーグ決勝大会で準優勝し、JFL昇格が決定。2012年に登録名を藤枝MYFCに変更してJFLに参戦。2013年にJリーグ入会と2014年のJ3参戦が承認された。
 
2014年から戦うJ3では中位~下位止まりだったが、2019年に石﨑信弘監督のもと、過去最高の3位に躍進。2020年にはJ2ライセンス交付を受け、J2昇格を目指したものの10位と低迷。2021年はシーズン途中から須藤大輔監督体制となり、最終成績は8勝8分け12敗。勝ち点32の11位。だが持ち前の攻撃力はポテンシャルを十分に発揮。トータル42得点はテゲバジャーロ宮崎、J2に昇格したいわてグルージャ盛岡に次ぐ3位である。
 
須藤体制2年目の今季は計14選手を補強。DFは小笠原佳祐、神谷凱士とビルドアップに長けたCBが加入。MFはJ3経験豊富な芝本蓮、水野泰輔、ドリブラーの榎本啓吾、特別指定強化選手としてすでにデビューしている久保藤次郎らが入団している。そしてFWは主力が残留。加えてシンガポール1部で得点王となった土井智之、法政大学の点取り屋・中井崇仁ら得点力のある選手を補強した。
 
今季は第1節でガイナーレ鳥取に3対0で快勝する幸先のいいスタート。第5節から鹿児島ユナイテッドFC、カターレ富山に連敗するも、第7節でギラヴァンツ北九州に1対0で勝利。悪い流れを断ち切ることに成功し、5月4日の第8節ではFC岐阜との乱戦を制して4対3で勝利し、勢いに乗っている。第8節終了時点の成績は4勝1分け3敗。勝ち点13で8位。現在J3はいわきFC、松本山雅FC、鹿児島ユナイテッドFCが勝ち点17で並ぶ混戦となっており、ここでいわきを倒せば一気に上位が見える。

■大切な出直しの一戦。

 いわきFCは5月4日の第8節で、同県のライバル・福島ユナイテッドFCと対決。この試合は、J3の舞台で初めて行われた福島ダービーとなった。

いわきFCは前半から激しく攻め立てるも決められず、試合は後半へ。そして79分、MF山下優人のCKをFW有田稜が頭で押し込んで先制し、1点を守り切って1対0で勝利。この結果5勝2分け1敗の勝ち点17で、松本山雅FCを得失点差で上回り首位に立った。

この試合の来場者は4501名と、福島ユナイテッドFCのホーム公式戦で最多の数字となっている。
 
そして興奮冷めやらぬ4日後、天皇杯福島県代表決定戦で両チームは再び激突。
 
この試合も立ち上がりは風上のいわきFCの猛攻が続いた。だが福島ユナイテッドFCはどうにか守り抜き、前半29分、福島DF北村椋太が上げたクロスをFW長野星輝が合わせ、ゴール。
 
1点を追いかけるいわきFC。後半も優勢に試合を勧めたが決め手を欠き、ゴールネットを揺らすことはできずに試合終了。天皇杯福島県代表の座を、6年ぶりに福島ユナイテッドFCへ譲った。

この敗戦で今季の戦いの場はJ3に絞られた。今節は大切な出直しの一戦。いわきFCは勢いに乗る難敵・藤枝MYFCをいかに攻略するのか。村主博正監督のコメントを紹介しよう。

■「やるべきことはまったく変わらない」村主博正監督

「天皇杯福島県代表決定戦は、残念な結果に終わりました。こちらが多くのチャンスを作る中、福島さんは最後に身体を張って守り抜いた。そういった勝利への執念で負けていたように思います。結果がすべての世界。相手よりほんの少しでも先にボールを触る、といったメンタルも含め、やるべきことができていたら結果は違った。まだまだ力が足りません。

福島ユナイテッドFCさんとの2試合を通じて、決定機で取れませんでした。今季は攻めているけれども点が取れない状態が続いています。ただし、それをあまりネガティブに捉えるのもよくない。普段やっていることが試合にすべて出る。練習での一つ一つのプレーを大切にして、クオリティを上げていこうと選手達に話しました。
 
戦術面で変えることはまったくありませんし、結果で一喜一憂することもありません。一つ負けた、二つ負けたからといって、スタンスは変わらない。自分達がやるべきことを変えずに徹底しつつ、出てきた課題にしっかり取り組む。そして、自分達の武器を磨き続ける。その姿勢をこれからも貫いていきます。
 
藤枝MYFCさんの選手達は前にボールを運ぶ力と運動量を兼ね備えています。J3でここ2試合を連勝。天皇杯静岡県代表決定戦でもアスルクラロ沼津に勝っており、映像を見ると、自分達の形ができつつある。
 
点を取りに行く時には3バック以外の7人全員が攻撃参加してくるなど、非常に勢いのあるチームです。そのためこちらとしては、とにかく勢いを出させないこと。ボランチの鈴木惇選手や前線のベテラン押谷祐樹選手、右サイドのMF久保藤次郎選手は非常にクオリティの高いプレーヤーですし、シンガポールから来たFW土井智之選手もモビリティに優れており、警戒しています。
 
こちらのメンバーは未定ですが、アタッカー陣については勢いがあり、走れる選手を使いたい。その中で上手さや強さなど、選手一人一人の個性をどう組み合わせるか。起用法と、最も力を発揮できる組み合わせを今一度模索しています。藤枝さんは後半に失点が多い傾向があり、攻撃陣の交代起用は大きなポイントになってくると思います。
 
積極的に前から来てくれるチームなので、相性は決して悪くありません。上位進出に向けて必死で戦ってくると思いますので、しっかりと準備をします」

■リーグ中盤戦に向け、再び勢いを出せるか。

福島ダービー2連戦で出た決定力不足という課題をいかに克服するか。リスタートとなる今節をいい形で終え、リーグ中盤戦に向け、再び勢いを出すことはできるのか。
 
今節の戦いにぜひ、ご注目いただきたい。
 
明治安田生命J3リーグ第9節・藤枝MYFC戦は5月15日(日)13時より、Jヴィレッジスタジアムにてキックオフ。試合の模様はDAZNにてライブ配信される。
 
熱き戦いに、ぜひご期待を!

「サポートをする」ボタンから、いわきFCを応援することができます。