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【FM店主日記DAY2】乾いてないスルメは湿ったスルメであってイカではない

危ない。二日目にして危うくすっかり忘れてしまうところでした。

今日もやらなきゃいけない作業終わったし、もうそろそろ夕方だし、ちょっとハイボールでも呑みながら、王位戦第4局を観戦しつつ今宵の夜を始めようかと思ってプシュッと角ハイの缶を開けたところで、あ、note書いてない、と思いだすにいたり、急遽iPadを取り出して書き始めてみたのは良いのですが、何を書くか、ということについては全く何も考えていないところで書き始めているので、おそらく当初の目的である意味のない文章を書く、という部分は今回も達成できそうな気がしています。目標を低く設定する、というのは生きて行く上でとても大切なライフハックだと思うので、皆さんもできるだけ自分の意識と他者への期待値を下げて生きると楽に生きられること請け合いです。

この三月に仕事をしている会社から借りていたノートパソコンのレンタル契約が満期になり返却する必要があり、パソコンをどうするか問題に直面していたのですが、これまで会社のパソコンと自分のパソコンの二台をなんだかんだと使い分ける必要があって、それが正直結構煩わしかったので、レンタルパソコンは返却して、新しいパソコンは借りず、その代わり仕事用のパソコンを新規購入することにしてみたわけです。

で、以前であれば、パソコンを新しく購入するっていう行為はなんならある程度の助走が必要な行為で、いろいろ調べては妄想し、それについて周りにいる人と議論を交わし、価格帯とスペックの落とし所について男子全員鼻息荒くして語り合う厨二的な時間を持つことができるいわゆる「ワクワクする」行為だったんです。

しかしですよ。今回のパソコン購入に至っては、全くもって本当に一ミリたりともワクワクすることなく、無表情でアップルストアのウェブサイトでスペックを選んでポチって、特にいつ受け取るなどの指定もせずに発注し、受け取る日もなんなら「あ、そういえば今日パソコン届く日だったな」くらいの期待値の低さで、喜びのあまりそこで何度もジャンプした挙句に宅急便の人とハイタッチをして箱を受け取った、みたいなこともなく、宅急便の人も新しいパソコンを買った僕に「おめでとう」の言葉を述べるわけでもなく、いたってテンションも低い状態で、心拍数が上がることもなく、くす玉も割れなければ花火も上がらず、拍手の一つも起こらない冷酷な環境下において宅急便の人から箱を受け取ったわけです。

かつてはあんなに大興奮するイベントだったパソコン機器の購入が全くワクワクしなくなってしまった理由をそれ以来考えているんですが、昔に比べて自分が歳を取った、パソコンを買うという行為が初めてではない、という理由ももちろんありつつ、いや、でもそれだけじゃないな、という気持ちがあるわけです。

そして、いろいろと考えを巡らせた結果、ワクワクしない理由が「新しいパソコンを買ったところで今のパソコンでできないことができるようになるわけではない」というところだな、という結論に至ったのです。もうすでにどのパソコンもハイスペックすぎる。

ま、これってつまり、テクノロジーの、特にハードウェアにおけるブレークスルーとかイノベーションが最近起きていない証拠なんだろうと。AIとかそっち方面は確かに物凄い速度で今は進化してますが、iPhoneもiPadもノートパソコンもカメラのスペックが上がったりディスプレイが綺麗になったりという感じの進化のみで、iPhoneとかiPodが登場した頃の興奮の足元にも及ばないような量のワクワクしか最近はないんだなぁと思い、ちょっとそれってつまらんなぁって思うし、最近の若い人たちは「乾けない世代」って呼ばれてるらしいのだけど、いろいろな技術が進歩する中で人間のスペックはバージョンアップされないので、若い人たちだけじゃなくて、それなりの年齢の人も乾けないことでワクワクを失って心が干からびてしまってるんじゃないかと思ってちょっと心配してたりします。

乾けない世代も問題だけれど、乾いてる世代の人が乾けなくなるのはもっと問題かもしれないなぁって思ってみたり。乾いたままならスルメだし、乾いてないならイカなんだけど、スルメになってから乾かなくなったとて、それはあくまでも湿ったスルメであって、イカではないってことで、んー、ま、何が言いたいかっていうと、と特に主張はないのだけど、いくつになっても割としょうもないことでワクワクしてたいわけですよ。そのための努力だったらまぁ、するかなぁ、多分。するかも。ちょっとなら。

フェルマータ店主 KAORU

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