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私的音楽アーカイブ106(フライングロータスほか)

1051.ロバートグラスパー:BLACK RADIO2
1052.マックスローチ:IT’s TIME
1053.マッコイタイナー:TODAY AND TOMORROW
1054.ジョージラッセル:THE JAZZ WORKSHOP
1055.ギルエヴァンス:THERE COMES A TIME
1056.ゲイリーバートン:GOOD VIVES
1057.フライングロータス:COSMO GRAMMA
1058.フライングロータス:YOU’RE HEAD
1059.ザドアーズ:The Very Best of The Doors
1060.ジャニスジョプリン:Pearl

⚫︎1057.2010年代以降の現代ジャズは今でこそジャズにヒップホップやR&Bなどの要素を融合し新たな音楽に昇華させた新たな音楽という認識が広がりつつあるが、ロバートグラスパーとともにその嚆矢となったのがフライングロータスである。この2人がいなければ、間違いなく今新たなジャズは生まれなかったと言っていいだろう。

フライングロータスの叔父はジョンコルトレーン、叔母がアリスコルトレーンというのはよく知られた話であるが、フライングロータスのすごいところはこの偉大なる2人をそのまま受け継ぐのではなく、自分なりの音楽として大きく発展させた点にある。特にこのアルバムはフライングロータスを象徴する作品といえる。

2人のコルトレーンがやってきたフリージャズ的、スピリチュアルジャズ的な流れを踏まえた上でヒップホップを基盤としつつ、壮大な音楽物語を形成している。誤解を恐れずにいえば、哲学思想性を帯びたヒップホップジャズとでも言うべきか。

いや、ヒップホップとジャズの融合というだけでなく、このアルバムにはレディオヘッドのトムヨークも参加している。フライングロータスの音楽のジャンルを規定しようとしても、全くできないのだ。これこそがまさに彼の音楽の圧倒的な力と唯一無二の個性を証明するものである。

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