【葬送のフリーレン】言葉・場面のリフレイン：何とも言えない表情
漫画「葬送のフリーレン」には、様々なリフレイン（繰り返し）が組み込まれています。
それらを意識しながら読み進めるのも、この漫画の一つの楽しみだと考えています。
リフレインの種類についての概要はリンクを参照して頂き、以下では具体例について紹介します。
対象は単行本全3巻23話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。
本記事で紹介するのは、言葉・場面のリフレインの「何とも言えない表情」です。
「何とも言えない表情」について
漫画「葬送のフリーレン」では、登場人物の喜怒哀楽の表情が、変化に富んでおらず、「何とも言えない表情」が度々登場します。
絵で表現するのが本分の漫画において、その特徴は珍しいですが、その「何とも言えない表情」により様々な解釈の余地を生み、読み手の想像力を掻き立てるのが魅力とも言えます。
本記事では、各登場人物の個人的に好きな「何とも言えない表情」を紹介し、それがどのように解釈されうるかを、一部考察したいと思います。
「何とも言えない表情」の具体例
フリーレン
フリーレンは主人公ということもあり、数が多くなかなか選び難かったですが、個人的には以下の場面のフリーレンの表情が好きです。
状況としては、フリーレンが眠っている間に、フェルンがアイゼンに彼女との旅の話をして、それを聞いたアイゼンが、フリーレンはいい師匠だと伝えた場面です。
ちょっと試してみてほしいのですが、顔を横にしてフリーレンの表情を見ると、表情の無い普通の寝顔に見えるのですが、フェルンの笑みを見た後にフリーレンの顔を見ると、笑っているように見えます。
繰り返しますが、このように幾つかの解釈の余地を残す「何とも言えない表情」は、葬送のフリーレンの魅力の１つだと考えています。
フェルン
フェルンの個人的に好きな「何とも言えない表情」は、以下の場面の表情です。
この場面の状況を説明すると長くなるので割愛しますが、このとき10歳前後のフェルンが、ハイターの死が迫っていることを理解し、それでも自分の成すべき事をやり抜く覚悟を見せる表情を、ほぼ無表情で表現するところに、この漫画の凄みを感じました。
おそらく無表情にすることで、覚悟の裏の哀しみを表現する余地を残しているのかなと思います。
あと詳細は説明しませんが、以下の場面のフェルンの表情も好きです。
シュタルク
シュタルクの個人的に好きな「何とも言えない表情」は、以下の場面の表情です。
状況としては、フリーレンがくだらない魔法を追いかけている姿を見て、シュタルクは師匠のアイゼンの言葉を思い出し、彼女に振り回される旅はアイゼンにとって、くだらなくてとても楽しい旅だったことを伝えます。
おそらくくだらない旅が楽しいことを、自身が経験していないので、笑顔でもなく皮肉っぽい表情でもなく、ただの無表情で伝えたのだと思いますが、比較的表情の豊かなシュタルクの、無表情のシーンは趣深いですね。
ヒンメル
ヒンメルはフリーレンと会話したり向き合ったりする時に、ハの字型眉毛の表情になることがあります。
この表情も「何とも言えない表情」で、笑っているのか、想いを伝えられない自身を冷笑しているのか、寂しく思っているのかなど、解釈の広い表情をするのが、個人的に好きです。
ハイター
シュタルクの個人的に好きな「何とも言えない表情」は、以下の場面の表情です。
この場面の状況も説明すると長くなるので割愛しますが、かつての仲間のフリーレンに、自身の生き方を変えたことを伝えた際の、若干のカッコ悪さや気まずさが、「何とも言えない表情」に現れているのかなと考えています。
フランメ
登場回数は少ないですが、フランメの以下の場面の表情も、個人的に好きな「何とも言えない表情」の１つです。
フランメの好きな魔法である、花畑を出す魔法を、弟子であるフリーレンが教えてほしいと言ったことに対し、本来は嬉しいことであるはずが、フランメはちょっと哀しそうな「何とも言えない表情」をしています。
魔族を倒す非情な魔法だけを、フリーレンに教えてきたフランメが、最後には非情になりきれなかったことに対して、自身を冷笑したような表情だと、個人的には解釈しています。
まとめ
本記事では、葬送のフリーレンに繰り返し登場する、「何とも言えない表情」について紹介しました。
他にも繰り返し登場する言葉・場面があると思いますので、今後まとめていきたいと思います。
長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？