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【SmartHR】エンタープライズISのモヤモヤの原因を分析してみた

SmartHRの岩楯です。インサイドセールス(IS)、エンタープライズ(EB)規模のチーフをしています。通称ISEBというチームです。
メンバーのなかむさんがSmartHRのISメンバーがKPIにモヤモヤを感じて、頑張って変えちゃった話を書いてくれていたので、モヤモヤの原因を分析してみました。

2021年上期のインサイドセールスのKPIとモヤモヤの内容

これまでのKPIは、以下2つでした。

1. 自分が供給した「商談獲得数」 : 「01フェーズ商談数」とします
2. 1のうち、「商談担当者の合意を得た商談数」 : 「03フェーズ商談数」とします

03商談数については、供給した01商談のうち検討フェーズが進んだものの数であり、お客様の商談担当者が、「SmartHRで導入したい」と合意した商談の数です。フェーズは全部で8個あり、商談の進捗管理をしています。

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モヤモヤしてたこと
1. Salesと目線があっていない
2. お客様の為の最善の活動になってないかもしれない

セールスグループエンタープライズ(SalesEB)とコミュニケーションを取っていると、目線が合っていないと感じるし、そもそも今のKPIは果たしてお客様のための最善の活動になっているのだろうか?と疑問に思うことが多かったとなかむさんは話してくれていました。

ISEBのモヤモヤに徹底的に寄り添ってみる

ISEBメンバーは、「お客様にSmartHRを知ってもらい、潜在的な課題の手助けになれる」という可能性があれば、「商談獲得」をします。これが01フェーズ商談数としてKPIに計上されます。しかし、SalesEBに対してはすぐすぐの「受注」に繋がらないかもしれない、というジレンマを抱えていました。

また、「商談担当者の合意を得た商談数(03フェーズ商談数)」は、初回の商談で担当者に合意いただく事もあり、受注まで1-2年を要するエンタープライズ領域では、ISの介在価値が不十分に感じる大きな要因となっていました。

それぞれの役割が違うので当たり前と言ってしまえばそれまでですが、Salesが「受注」をゴールにしている中で、ISは「商談獲得」がゴールで活動をしていることがモヤモヤに繋がっているようでした。

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SalesEBにもヒアリングし、更に分析してみることに

ISEBの商談は、SalesEBに供給するので、彼らとの目線が合っているかどうかは業務をする上で非常に重要です。ISEBだけが「モヤモヤしている」のか、SalesEBの意見も把握するべく以下が行われました。

・それぞれ当事者内での「モヤモヤ」のヒアリングと言語化
・ISEB/SalesEB間での「モヤモヤ」のすり合わせと言語化

どのMTGのファシリテーションもbizサイド全体のオペレーションの最適化を担当してくれている全社Opsが務めてくれ、お互いの本音を知ることが出来ました。SalesEBにもISEBにも直接的に関わらない、第三者の立場からフラットに意見を収集してくれた成果が大きかったと感じます。結果、SalesEBにもモヤモヤがあり、「ISとSalesの活動の目的の違いが目線のズレに繋がって」いることが明確に分かりました。

ISEBの活動の目的は何かを改めて考えてみる

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ISEBは、前進の組織を含めても2年弱程度の組織です。当時エンタープライズ領域のお客様と話しても、「何の会社ですか?」と聞き返されれたり、お話すら出来ないということが当たり前で、まだまだSmartHRが認知されていない状態でした。「SmartHRを知らないお客様にも知っていただく場を作りたい」という思いから、「01商談獲得」に強い意図があってKPIになっていました。

当時を振り返ってみると、2021年上期も同様に以前の延長線として、目的が曖昧だった気がします。

ISEBの目的を設定した結果

もう二度とモヤモヤする状態を作りたくないし、こんなことでお客様に向き合う時間が減ってしまうのは勿体ないので、下期のKPI設計の最初に、ISEB活動の目的を定めることから始まりました。

ISEB活動の目的は「受注」、ISEBの介在価値再考してみました

少しでも早く、少しでも多くの方の「働きやすさ」を実現するために、目的はシンプルに分かりやすく「受注」とし、SalesEBと同じ方向を向いた先にあるISEBの介在価値を再考しました。

そもそも、ISはマーケティングチームが獲得してくれたお客様情報を元に、必要なお客様との商談機会を創出するのが根本的な役割です。
先ずは、エンタープライズ領域で「SmartHRはどれくらいのお客様との接点が築けているのか」を調べるところから始まりました。ISだけでは無く、Salesやその後の活用にも耐えられる精度のデータが必要だったのでデータマーケティングチームに依頼をし、改めてSalesEBにもヒアリングを行いました。

更に、ISメンバーのなかむさんが前年度受注実績の分析を担当してくれ、エンタープライズ領域では、受注を考えた時、商談担当者の合意だけでは不十分であり、決裁者の合意を得るまでのサポートが重要ということが分かりました。

・ 商談で最も期間を要するのは、03フェーズから04フェーズまでで、概ね1ヶ月〜2ヶ月間
・ 規模に関わらず03フェーズまでは約2週間程度だが、04フェーズに至る期間は規模が大きいほど長くなる

今回調べた情報を元に、大きく2つのことを決めました。

1つ目:
受注に必要な役割から、新しくKPIを設定しました

・まだまだSmartHRを知らないお客様への商談機会を創出すること
・商談中のお客様の課題を解決する為にもっと近くでお客様とSalesEBとの併走すること

「商談機会の創出」は、これまで同様「01商談獲得」として実施し続け、「お客様とSalesの併走」は、「03フェーズ商談数」から先に進んで「04フェーズ商談数」へと変更しました。

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2つ目:
ユニットを分割しました

どちらの役割も最大限に効果が発揮出来るように、これまでの1ユニット体制から、2つのユニット体制に分割しました。

・EBユニット:01商談獲得
・ADRユニット:04フェーズ商談数

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目的の設定により、実態に即したKPIの設計や役割別でのユニットの設立など、どちらも前例の無い取り組みに挑戦することになりました。

新しい挑戦にはレールがない。誰も通ったことがない道の先には、誰でも提供できない価値がある。という、バリューを掲げているSmartHRですが、まさにこれからワイルドサイドを歩きだす、その一歩になって本当に良かったと思っています。

エンタープライズISのモヤモヤは結局、、、

沢山議論をし、モヤモヤを分析し、分かったことは「目的の不明瞭さ」でした。SmartHRは年間採用200名を目指す会社です。そのスピード感で成長している為、半年ごとのKPIもその期中ににうっかり賞味期限を迎えてしまうなんてことが無いようにシンプルに分かりやすく本質的な目的を掲げました。

また、一連の流れの中で、ISEBとSalesEB間でのコミュニケーションがより重要だと気づきました。

SmartHRでは、コミュニケーションが活発で有名ですが「もっともっと相手のことを理解して、認識のズレを丁寧に解消し、それぞれの意図を頻繁に伝えあう」と、より強いチームになると確信しています。当たり前だけど、お互いを理解し続け継続するのがなかなか難しいコミュニケーション。それは、「エンタープライズ開拓」公開雑談会でも詳しくお話できそうです。

さいごに

7月に入りエンタープライズ領域のISはEB/ADRの新体制で、それぞれの役割が始まっています。

これまで以上に、お客様とSalesの近くでの活動がどうなっていくのか、私自身も期待しています。私は新設ユニットのADRにおりますので、その話は次のnoteでご紹介出来ればと思っています。

困っている、課題がある方たちにしっかり向き合いたいからこそ、全然仲間が足りません。積極採用中です。

私達、ISの紹介をまとめた「Entrance Book」を作りました。是非一度会社資料と合わせてご覧ください!

一緒に挑戦してくださる仲間も、お待ちしています。





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