幻想雑文


 僕は児玉誉士夫のようなフィクサーになることを夢見ていた。あるいは石原莞爾のように謀略でもって満州国を作り上げることを夢見ていた。僕は何かを夢見ていたかった。僕はいつでも何かを夢見る自分を夢見ていたかった。満州国は結局滅びたが、そのインフラを多分に利用した毛沢東は中国全土を支配して共産主義国家を作り上げた。誰かの夢は多分半分だけ叶ったのだ。

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 僕は石に名前を彫って、そして川の中へ投げ込む計画をたてた。海へ運ばれるまでに名前は削れてなくなってしまうだろうか。別にそれはそれでいい。問題なのは何の名前を彫ればいいのかわからないということだ。

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 狐は夢を見ようとした。だから僕にあれほど枕をせがんだのだ。結局僕は使い古しのクッションを奴にゆずってやった。端っこを噛んだり、くんくんと匂いをかいだりした後に奴はクッションを頭の上に乗っけて、「どうもありがとう」と言った。

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