「君の名は」を観て

「君の名は」を観た。思っていたよりもずっと面白い映画だった。新海のアニメはもっとだらだらぬるぬるとしているイメージはあったが、この映画はあまりそういうところは目立たなかった。前半、入れ替わりが一旦終わるところまではとにかくテンポがよかった。テンポの良い映像を見ながらキャラと一緒に入れ替わっている体の本当の持ち主はどんな人なんだろうと想像をめぐらすのは楽しかった。滝が少女を求めて岐阜に行くというのも良い。そこで少女の暮らしていた街が彗星墜落によって崩壊してしまっていたことに初めて気づくというのも、なかなか効果的で良い。ネタバレしていなかったらもっとここのシーンも楽しめたと思う。その後の酒を飲んでタイムトラベルというのは流石にご都合展開が過ぎたし、全体的にだらだらしているような印象を受けたので私はあまり好きではなかった。ミツハが過去に東京に行ったことがあって、すでに滝とあっていたということが判明するシーン。あそこは死ぬほど素晴らしかった。会えば絶対にわかると思っていた人に「誰だ」と言われてしまうというのは少女にとっては傷になり、そしてそれを言ってしまった少年にとっては罪悪感になる。それらの感情は後のクレーターの縁でのシーンでからみあうことになる。

 隕石が落ちた後はいつもの新海という感じであった。オマージュかと思うほどにそのシーンは秒速のと似通っていた。作品はハッピーエンドのような感じになったわけだが、秒速のバッドエンドがなければあのラストシーンにはあまり感銘を受けなかったかもしれない。

 RADWIMPSの曲はOPED合わせて4曲も流れた。これは結構異例のことなのではないだろうか。


 何も知らない過去の相手に会いにいく。こういうのは過去に例がいくらでもあるのだろうけれど、私はなぜかハウルを思い出した。

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?