雑文
泣いている子ども。何かをエレベーターの隙間に落としてしまったそうである。話をよくよく聞いてみると何かの招待状への返事だったようである。とにかくわんわん泣いていた。たとえば私がエレベーターの技術者であったら「どれひとつ見てあげましょう」と名乗り出るところなのだが。
しかしエレベーターの扉の隙間から奈落に吸い込まれていってしまった招待状、というのはなかなか詩的な気がするのであるがどうだろう。結局招待状は今度の点検、すなわち来月に取り出されることになった。子どもはより一層大きい声をあげていた。
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