2012年3月28日の「独白」


 僕は他人の文体に影響を受けすぎる。もうどうしようもなく最近そのことばかり考えている。

 それから、文章がとてもまわりくどい。もっとはっきりと、わかりやすく自分の気持ちを伝えたい。僕は本当にそう考えているのだ。だけどできない。なぜだかはわからない。本当に、誰か知っている人がいるのなら教えて欲しいくらいだ。

 でも、ふと考えてみると、僕の考えていることは以外と簡単なのだ。

 オナニーしたい、セックスしたい。どこかへ行きたい。ずっと楽をしていたい。本当に正直に言葉にしてみると、結局はそういうことになtってしまう。ただ、その字面を眺めていると、僕は本当にこれがしたかったのだろうか、という気分にもなってくる。そこでやっぱりこれは違うんじゃないか、と別のものを書いてみる。違う、また消して別の答えを書く。言葉じゃだめなのかもしれない、文章にしてみる。違う、文体がいけないのかもしれない、文に化粧をほどこしてみたりする、それでも何かが違う。そこでもっと趣向をこらしてみる…という具合に僕の文章はどんどん複雑になっていって、一番最初に一体何がいいたかったのかなんて、はるか遠くの彼方に蹴り飛ばされてしまうのである。

 なんていうか、僕は本当に万事こんな感じなのだ。万事こんな感じの人間なのだけれど、不幸なことに万事このままじゃいけないと考えるぐらいの脳みそは残っていた。だから僕は今日も呪われたくるみ割り人形みたいに、同じ動作をいつまでも繰り返すのである。

 …と書いてみるとどうも精神的不健康児みたいだけど、こんなに暗く落ち込んでいるのは文章だけなのである。基本的には僕は毎日を楽しく生きている。地図と辞書だけあれば一生暮らしていく事だってできるかもしれない。しかしどうもそんな自分の気持ちをうまく表現することはできないのだ。

 これはどうにもきついことだし辛いことだ。僕は本当はとても話したがり屋であり、さらに書きたがり屋でもあるので、自分の気持ちを書き取ることができないというのは、かゆいとこに手が届かないのと同じような歯がゆさを感じてしまうのだ。

 どうにかならないものだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?