【自分でできることをやろう】

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青年は今日も働きに出る。職場は町のスーパーだ。伝票を捌き、入荷を確認し荷出しだ。膨大な品目と数があるが時間はかけられない。開店時間は刻々と迫ってくる。お客様をお迎えする準備は他にもたくさんある。合間に上司から他の仕事の指示も飛んでくる。優先順位を考えるのもどうも苦手だ。スタッフは少なく複数の仕事をこなさねばならない。

こんな仕事、いつまで続けるんだろう?青年は人生に疑問を持っていた。この命もいつか終わってしまう。それは明日かもしれない、10年後か40年後か。いつかはわからない。このままでいいのだろうか。一体自分は何をやりたいんだろう。自分でしかできないことやりたい。

理不尽なことを押し付けられたり、嫌な人間関係を強制的に続けなければならないのは辟易していた。自分で選べるようになりたい。選択肢を自分の手に取り戻したい。心からそう願った。そして考えた結果、青年は「そうだ社長になろう」そう思った。社長がなんなのか全くわからなかったし、なり方もわからなかった。でも好きな車に乗って、自由な感じがしたのだった。

しかし、どうすればいいのかなんて全くわからなかった。それから青年は仕事帰りに本屋に立ち寄るようになった。本屋はどこを歩いても興味深いものが沢山あってとても楽しめた。知的好奇心を刺激され、ワクワクさせる効果がある。でも目的は「社長になること」だ。主にチェックするのはビジネスコーナーだった。

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