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NHK「スイッチインタビュー」小林信彦×細野晴臣

録画してあったNHKの『スイッチインタビュー」、細野晴臣と作家の小林信彦の回を見る。
細野氏75歳、小林氏90歳。残念ながら小林さんの言葉が今ひとつはっきりせず(頭は非常にはっきりしている)、見ていても若干聞きにくいところがあった。
細野晴臣も小林信彦を前に遠慮して言葉を慎重に選んでる感じもあったし、願わくば10年前に対談してくれてたらなあと。
10年前なら大瀧詠一も存命だったし、3人の座談会だったらテレビ黎明期からの日本喜劇の話がたっぷり聞けたはず。
10年前は大橋巨泉さんも永六輔さんも存命だったけど、あの二人まで座談会に加わると、小林さんの話す余地がなくなりそうだから、細野・大滝・小林信彦の3人で十分。

小林信彦の小説は、小中学生の頃に「オヨヨ大統領シリーズ」にハマり、中学三年ぐらいからは「唐獅子株式会社」のシリーズにどっぷりだった。
もちろん小説的に面白いのだけれど、小林信彦の作品にはテレビ的な面白さ、バカバカしさ、諧謔がたっぷりあって、子供心にもテレビと共通するものを感じていたような気がする。
何より描かれる人間が面白かった。どこかヌケてるところがあって、空回りして、それを滑稽に見せてくれるのだから、友達と顔を見合わせるだけでも腹を抱えて笑ってしまう年頃の子供には抱腹絶倒の面白さなのだった。

先日、四半世紀ぶりぐらいに『唐獅子株式会社』を読み返してみたのだけれど、やっぱり笑ってしまった。
可笑しみというのは時代と並走するものだから、時代が変わってしまうと小説と現実のギャップが大きくなりすぎて面白みがすっかり消えてしまう。でも『唐獅子株式会社』は今でもやっぱり面白く読めた。
作中のどこかに普遍的な面白さがあるということなんだろうが、それが何であるのかは今のところまったくわからない。
筒井康隆の『俗物図鑑』も、いま読み返してもやっぱり面白く感じるのかなあ。


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