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組織は変わりやすい人から変わる


|組織活性化の効果的なアプローチとは

ここ最近は、Well-beingという言葉がだんだんと世の中に広がってきました。
世の中全体が、生産性ばかり・効率ばかりを追い求め、シャカリキになって働くことよりも、自分の今の大事にしたい価値観を大事にし、仕事にやりがいや働きがいを求める世代も増えてきました。

2025年にはミレ二アル世代が労働人口の半分を超えると言われています。
労働者側の働く価値観、働き方が大きく変容する中で、組織も変わらねばならない分岐点に今いるように思います。

とは言っても、この「分岐点」がまさにいろんな問題が発生しうる、時期とも言えます。

「会社をよくしたい」
「組織をよくしたい」
と心ある、切実な思いを持った、経営者の皆様や人事の皆様は、

・今、組織で発生している組織課題の真因が何か?
・こんなにも社員のことを思って行った施策が全て裏目に出たことに悩み
・職場の雰囲気など、「空気を掴むような手の打ちようがない手詰まり感」

に非常に悩んでおられると思います。

その中で、私が現場の肌感覚もありますが、どういうアプローチが有効なのか、どういう考え方が有効なのか、ご紹介したいと思います。


|組織にはツボがある

組織の活性化と言ってもいろんなやり方がありますし、もちろん、100社の会社や組織があれば、100通り存在し、それぞれの活性方法は違うのが現状です。それぞれが個性のあるチームなので、やり方は1社として同じものがないです。

ただ、組織や人の仕事をさせていただく中で、
「これだけは外してはならないな」という大原則みたいなものも同時に見つけることができました。

今回は2つご紹介します。

①個人→組織の順番で活性化していく。組織→個人の順番は往々にしてうまくいかないことが多い。

組織が活性化するということは、個人が活性化していることであると同義であることにいつからか腹落ちしました。
その組織を構成している、一人ひとりの個人が活性化している状態。
その結果として、組織全体が変わっていく、という順番が最も自然だなと気づかせていただきました。

組織活性化というと、
「どんな仕組みを作るか?」
「組織の形をどうするか?」
などに目がいきがちです。最近は流行りの人事施策も人事間の交流で盛んに行き来するようになり、他社で上手くいっているアノ施策を、我が社にも・・・という方も多いのではないでしょうか?組織の中を整備すれば、個人は元気になる、というそんな考え方が主流だと思います。

しかし、どうでしょうか?

・コミュニケーションイベントの企画
・フレックスタイム制の導入
・社食や朝ごはん提供
・綺麗に整備された人事評価
・最新のPCと座り心地良すぎる椅子

など、会社は社員のためを思って、様々な施策を行います。しかしながら、悲しいことに社員は大してそうした施策を喜んでいない、一時喜んだとしてもすぐ慣れる。
そんな空振り感を抱いたことはないでしょうか?

もちろん、上記の全てがダメだと言いたいのではなく、組織のハコを整えていくことももちろん大事だが、それよりも個人個人が活性化している状態をいかに創るか?
これが最も大事な点だと思います。
活性化した個人が増えることで、組織全体が自然に内側から活性化していく、という流れをいかに人事戦略の中に組み込ませるか、が大事かと思います。


②少ない人数から大きく変わる

個人的な話で恐縮ですが(笑)、私は頻繁に整体に通います。
身体には何百?何千というツボが存在しており、その時に体調は心の状態によっても、ツボの場所は変わってくるのだろうと思います。

実は、これは組織(チームはコミュニティーでも)でも同じことが言えるのではないかと気付きました。そして、この組織のツボを押さえれば組織がどんどん活性する、ということも経験則的にわかりました。

仮に100人の組織がいたとします。いろんな人が組織にはいますよね(笑)。
やはり、「100人全員を良くしよう」「100人全員を元気にしよう」というのは極めて難しいということがわかりました。
例えば、管理職研修とか実施するといった際に、管理職の方が100人いたら、100人全員を同時に底上げしていくというのは、極めて難易度が高いです。(もちろん管理職の学びは大事です!)

そこでおすすめのアプローチや視点は、
100人全員でなくて良いと諦めることです。
100人のうち、たった3人から4人で良いので、ほんの数名の少数の方が大きく変化し・成長をしていく。
そして、その一部の人が成長していくことで、その影響がその方の周りに波及し、それによってまた別の人が成長を始める・・・・

やっぱり、我々は例えば憧れている手の届かない人の成長に刺激を貰うのではなく、身近なアイツ・隣のアノ人の成長や変化が最も影響を及ぶんだな、ということもわかりました。

一部から始まり、それが全体に広がっていくことは、まさに自然界も一緒のことかと思います。全体がバッと変わるよりも一部から徐々に変わり始め、いろんなところに伝播していくという特徴があるかと思います。

これは組織の活性化という点でも同じことが言えるな、という風に思います。

以上2点が、おすすめの組織活性化の見方であるし、アプローチでもあります。


|組織活性化には”WHO"の視点が欠かせられない

これまでの話をまとめると、

①一人ひとりの個人の活性化が組織全体の活性化に繋がっていく。
②その「個人」はいきなり全員を対象とするではなく、ごく少数からがより良い。

ということでした。

さらに、話を進めます。

では、気になるのは

「最初に変わり始める人たちは誰なんだろう?」
「最初に成長を始める人たちは誰なんだろう?」

というWHOの視点です。つまりは、一番最初のキーマン選定です。ターゲット戦略です。

その最初の方々を見つけることが何より大事です。この最初に変わり始める人たちをITSUDATSUでは、「要」と呼んでいます。

組織の中で最初に変わり始める人たちを選び、その人たちが本当に望んでいる成果を自ら主体的に創り出し、それを通じて、自然に成長していき、結果周りへ波及していく。

それによって、次の要がまた生まれる。要が次の要を生み、さらにその要がさらに新たな要を生んでいく・・・・・
こんな流れが創り出せたなら、当たり前ですが、組織へのエンゲージメントも低いはずがないですよね。そして、施策ありきの人事戦略ではないので、他社からの模倣困難性が非常に高いです。

そしてできれば、組織全体が要の組織になっていくといいなぁとも思います。

現場感覚でいうと、100人いたら10人の要、つまり10%くらいになると、組織は根本的な変化を始める、というのも経験則的にわかりました。

誰が変わりやすいか?
その変わりやすい人が、より自分らしく成果を出すための刺激を入れていく
ということが大事だと思います。

ぜひ、そんな視点で今所属している組織を観ることをおすすめします。



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