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「ADHD」と「ASD」を併せ持つ人に向いている職業とは?

「ADHD」と「ASD」を併せ持つ人に向いている職業とは?

ご質問ありがとうございます!

事務局メンバーのつばきがお答えさせていただきたいと思います。

今回のご質問は、「ADHD」と「ASD」を併せ持つ人は、どのような職業に向いているのか?というものですが、私の体験なども交えながらお話させていただきます。

私は、社会福祉士として、重度の障害を持つ方の生活介護に従事しています。利用者さんと関わることはとても楽しいし、この仕事に誇りを持っています。

けれども、朝は起きられないし、忘れ物は日常茶飯事だし、複数のことを同時にやろうとすると漏れが出るし、空気は読めないし、言葉を聞き取るのが苦手だし…etc。

仕事をする上で困っていることは何かと聞かれたら、それだけで一日語り尽くせる自信があります(←自慢げに言うことじゃない)。

自分はこの仕事に向いているのだろうか。今後もずっとこんな失敗を繰り返しながら生きていくのだろうか。私も非常に悩みました。

一人で失敗して、一人で何とかしようとして、一人で落ち込んでいる、ということを繰り返し、数日眠れない夜を過ごすようなこともありました。

現在は職場の方に発達障害の当事者であることをカミングアウトし、自分の苦手な部分や協力してほしいことをお伝えできたので、失敗しても取り乱すことなく、冷静に解決することができるようになりつつあります。

さて、本題になりますが、「ADHD」と「ASD」を併せ持つ人に適職はあるのか、ということですが、これらの当事者であるから向いている!といえる仕事はほとんどないのではないかと思います。その理由を以下のように考えました。

① 「ADHD」や「ASD」の人にも、色々な特性を持つ人がいるから

発達障害特有の強みというのもあるかと思います。私の例を出せば、嗅覚が強い、人の名前を覚えることが得意など…。このような特性を活かして活躍している人も中にはいます。しかし、発達障害の当事者が全員同じ特性を持っているわけではないし、それらの活かし方も多種多様です。私が向いていると思う仕事であっても、他の人には合わないということも大いにあるかと思います。

② どのような仕事であっても、「苦手なこと」は付いて回るから

私が行っている「重度障害者を介助する仕事」と聞くと、食事や排泄のお世話や、一緒にレクリエーションをするようなことを思い浮かべるのではないかと思います。しかし、それら以外にも、ご家族と面談したり、事務仕事で資料を作成したり、外部の業者とお金のやり取りをしたりと、介助以外の業務もやらなければいけません。特に私はお金のやり取りが苦手で、いつも半狂乱になりながら帳簿を付けています。

苦手な人もいます。話が通じねぇ!とさじを投げたくなることもあります。朝はいつもギリギリに起きて、息を切らしながら自転車を漕いでいます。

自分一人だけで仕事ができたら楽になれるのかなぁ…と考えたこともありましたが、そうなったら今度は自分の足でお金を稼いで、保険や税金関係のこともすべて自分で管理しなければいけません。どんな仕事に就いても、苦手なことと向き合わなければいけない場面はあるのだ、とつくづく思います。

③ 向いているといわれる仕事が必ずしも自分に向いているとは限らないから

私が職業適性検査とか、それと思しき心理テストなどをやると、ぶっちぎりで適職に挙がるのが「芸術家」「ミュージシャン」「イラストレーター」などのアーティスト職です。それが実現できたらもちろん良いのですが、実際にこれらの職業でご飯を食べていくのはなかなか厳しかったりします。検査結果さんは平気で「イラストレーター向いてるよ!やってみたら?」とか言ってきますが、私の画力の崩壊具合を見てから言ってほしいと思います。

余談はともかく、インターネットで検索すると、こんな職業が良いのでは?と出てくるものもいくつかあります。ただ、その仕事を続けられるか否かは、仕事の内容だけでなく、人間関係、給料、モチベーションなども大きく影響してきます。

色々書いてしまいましたが、発達障害であってもなくても、その仕事が向いているか向いていないかは、やってみないと分からないというところが現状かと思います。しかし、お仕事を継続して収入を安定させるためにも、ある程度的を絞っておくことは非常に重要ですよね。

そこで、どのように職業を選んでみると良いのか、私なりに考えてみました。

※あくまで個人的意見なので、成功をお約束するものではありません。

① 「やりたいこと」と「できること」を明確にする

発達障害の特性に悩むと、「あれが苦手だから」「これが難しい」とできないことばかり考えてしまいがちになります。けれども、仕事を継続する上でやりがいやモチベーションは非常に重要です。そのため、「特性の有無に関係なく自分がやってみたいこと」と、「特性を加味して自分にできること」を分けて考え、その後に折り合いをつけて考えることは1つの方法かと思います。若干苦手な仕事が含まれていても、モチベーションがあったら乗り越えられることもあります。特性上苦手だから、という理由に縛られすぎるのはもったいと思います。

② 発達障害に理解がある仕事を選ぶ

私は幸いにも福祉の仕事をしていたため、自分の特性を理解してもらうことができました。少し難しいかしれませんが、理解がある職場を探してみるというのも手かもしれません。フォローしてもらったり、工夫したりすることで、仕事を継続している人もいます。他の発達障害当事者がどのような仕事をしていて、どのように仕事と向き合っているのか、ということを尋ねて、参考にしてみるのも良いのではないでしょうか。

③ 1つのことを極められる仕事を選ぶ

なんだかんだ言っても、やっぱり苦手なことは少ないほうがいいですよね。そんな時は、マルチな対応を求められる仕事よりも、1つの専門性を極められる職業に就くというのも手だと思います。途中で方向転換することは難しいかもしれませんが、何か資格の勉強をしたり、専門職を目指してみるのも面白いのではないでしょうか。

長くなりましたが、以上になります。発達障害と向き合いながら仕事をするのは、本当に苦労が絶えないですよね。長く続けることも大切ですが、本当に苦しいときは思い切って方向転換することも懸命な判断であると思います。のんびり気長にお仕事頑張っていきましょう!

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