忘れ物と私

忘れ物キング、それは私が小学生の時に得た称号。
私は大人になってから診断され、子どもの頃は見過ごされていたADHDという障害を持っている。


ADHD=忘れ物と言っても過言ではないくらい、我々にとっては「あるある」であり、そして生活に支障をきたす問題。
小学生の時、忘れ物をすると忘れ物カードに逐一忘れたものを記入し、親の判子を貰わなければならないシステムがあった。教科書、宿題、お弁当、体操服、図工で使う道具…毎日毎日私はそれを記入していた。
カバンの中に出し忘れたお弁当が腐っていたこともあるし、未だに財布を忘れたサザエさんをしてしまう。


友達と遊びに行って買ったものをどこかのトイレに置き忘れたりもする。
大学時代は課題のレポートを完成させても、提出するのを忘れてばかすか単位を落とした。
5分前に考えていたことも忘れる。これは持っていかなきゃと手に持っていたのに玄関に置き忘れる。
忘れ物をしない人からみたら異常だと思うだろう。うん、私もそう思ってるよ。
印象に残っているのは高校の時の学年主任からのお言葉。「提出期限を守れないと、人生の大事なチャンスを逃すことになります。」
うるせー!そんなこと言われて直せるならとっくにやってるわい!こっちは毎日カバンの中に入れてるのに「提出する」ということを忘れてしまうんだよ!


忘れ物と同じく頻出するのが無くし物。
置き忘れて無くしたり、部屋が汚すぎて無くしたり、知らぬ間にどっかに落としたり。
「忘れ物をしないようにしよう」「ものを無くさないように大事にしよう」と思ってもそれが出来ない。
「高いもの、お気に入りのものを買えば愛着を持って無くすことはない」と言う人がいるが平気でなくすし忘れる。悲しいよ。
だから「忘れ物/無くし物をしても大丈夫な状態にしよう」ということを心がけている。


1つ目は、ストックを大量に持つ。
無くしても安全。
イヤフォンやスマホのケーブルなど、カバンや部屋の至る所に大量に忍ばせておく。

2つ目は、どこで現地調達できるか考えておく。
忘れた時、代理が効くものならどんどん買う。
取りに帰って遅刻するより、現地調達する方を選ぶ。
出費がかさむので、なるべく100円ショップで買う。

3つ目は、「私は忘れたり無くしたりする人間だ」ということを念頭に置いて物事を考える。
締切を忘れる、持ち物を忘れる、家を出る時間を忘れる、それを前提にしておけば、アラームをかけたり、知り合いにリマインドしてもらったりできる。

ADHDの人はワーキングメモリが少ないと言われている。ワーキングメモリとは一度に覚え続けておけるものの量。
ADHDの人はぼーっとしているようで、いつも何かを考えていることが多いと言われている。だから色んなことを考えているせいで、大事なことを覚え続けておくことが難しい。
そして「忘れないようにしなきゃ!」と常に考えておくのもかなりのストレスだったりする。
だから、「覚えておく工夫」ではなくて、「思い出せる工夫」が大事だったりする。
メモをとるという行為自体がそもそも難しいけれど、メモってしまえればもうそのことは忘れて良い。
思い出したい時に見返せば良いからだ。それに気付いて(というか本やネットで知って)から、かなり楽になった。
どれももったいなかったり、忘れ物をしない人にとっては意味不明かもしれないけど、忘れたことによる精神ダメージを回避出来るので、私には必要な支出、マインドなのだ。 

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