カイケツしたじき中学生No.01に「項」を選んだ理由

「『カイケツしたじき』の中学生版作ったら」とお声を掛けていただいたとき,その時点で数学・理科を含めてすでにいくつか候補があったんです。その候補の中で,まず最初に作るのは「項は3点セット」だと言ったら,「なんでこれが最初なの??」って言われたんです。私は基本長いものに巻かれる人生を送っているので,「なんで??」なんて言われたら,「ほかのものにかえます・・」というのですが,これは譲りませんでした。たぶん,「項」を手に取ってくださった方は「これなに?」「なんでこれ?」って思われたと思います。
 長く中学校で通級をしていて「勉強がわからない」と訴える生徒にたくさん関わってきました。その中でも多いのが「数学がわからない」です。その生徒たちの計算の様子を見ていて共通していたのが『項のかたまりが分かっていない』ための計算ミスです。もちろん,計算の手順が分かっていないためにできないこともあります。その子たちには計算の手順表(いつかカイケツしたじきに加わるといいなあ)を渡しますが,それも,「項」に正しく分けることができないと使えません。だからこそ,最初は「項は3点セット」だったのです。
 

カイケツしたじき中学生

詳しい話は,夏の研修会などで紹介させていただきますが,「項」を意識できると「わかった」「できた」と次々計算問題をクリアできるようになります。例えば,ー7-5という高校入試問題の第一問の(1)に出てくるような問題があるとします。解答用紙を見ると「ー2」と答えるAさんやBさんやCさん。なぜこう考えていしまうかというと,これは(-7)と(-5)の2つの項があり,同符号の加算をしなければいけないことを分かっていないのです。同様に2χーχの答えを「2」と答えるDさんやEさん。ーχは「ー1χ」であることが分かっていないこと,同類項(同じ文字の文字式)は足したり引いたりしてまとめることができることをわかっていないのです。これを可視化して計算を間違わせないのが「項は3点セット」のコンセプトなのです。」
 カイケツしたじきは,エルピス・ワンさんのオンラインショップで取り扱ってくださっています。この夏,いくつかのイベントでエルピス・ワンさんの出店があるそうなので,機会があれば手に取って,めったに表に出さない「ヨコ糸のあつい思い」をご覧いただければと思います。


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