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わたしにとっての誕生日の原体験を思い出した。

思い返せば
子どもの頃、家族に
誕生日をお祝いされた
という記憶がない

もしかしたら
お祝いされたのかもしれないけど
記憶に残るような思い出ではない
ということなのかもしれない

いちばん最初の誕生日の思い出は
小学生の頃に
菓子職人だった父親に頼んで
特別に作ってもらったまぁるいケーキ

お店には売っていない
わたしの好みを反映させた
唯一無二のケーキだ

誕生日には
まぁるいケーキがいい

わたしが何処かこだわってしまう
その理由は、父のケーキがあるから
なのかもしれない

そしてもうひとつ
こちらのほうが原体験と呼べる
わたしの大切な記憶がある

毒親の大好きな兄←前記事参照
が最初の結婚をしたとき

兄嫁と一緒に
誕生日をお祝いしてくれた

恐らく兄嫁が
企画してくれたに違いない

そのときも確か
まぁるいケーキがあって
プレゼントをもらって

ハッピーバースデーを
歌ってくれたとき

なんだか自然に
涙が溢れてきたのだ

そのときはまだ小6か中1くらいで
何故涙が出るのか分からなかったけど
今なら分かる

わたしのために
わたしだけのために
お祝いされたのが嬉しかったんだ

わたしのためにプレゼントを選び
わたしのためにケーキを用意して
わたしのためにハッピーバースデーを歌う

多分、大抵の人は
そんなことはごく普通の出来事だと
思うだろうけど

振り返っても
そんなことをされた記憶がないから
きっとその日が初めてだったんだと思う

その後、兄は離婚したし
わたしも中学卒業と同時に家を出て
家族で誕生日をお祝いすることは
一切なくなった

あの日の原体験があるから
わたしはまぁるいケーキと
ハッピーバースデーの歌がある
そんな誕生日の風景こそが

わたしは愛されていて
生まれてきて良かった

って思える

その象徴になったんだ

今となっては
もう会えないけど
父と、当時の兄嫁には
マジで感謝してる

わたしに
愛を与えてくれて
愛を教えてくれて
ありがとう

そして今でもやっぱり
誕生日にはまぁるいケーキがいい

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