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2020年、成長に対する焦りを克服した

2020年を振り返ってみると、内面に関して大きく成長できた実感があった。それを明文化することで形式知化しておこうと思う。

他人と比較して、成長に対して焦りを覚えた

2015年の夏、大学3年生のときに大学の同級生を始めとする仲間と事業を始めてから数年は、「自分たちのスキルや考えを落とし込んだサービスを早く提供したい!」という想いと、「他のみんなとはちょっと違ったことをやっている」という浅い優越感で日々作業に没頭できていた。

ちょっとしたWebサービスならそれなりのスピードで作ることもできるようになっていたこともあり、新しいことを吸収しながら走るというより、貯金を切り崩すような攻め方をしていたこともあり、ほとんど自分自身のスキルの限界や、インプット量について意識することがなかった。

事業をやるということは本当に難しいもので、最初は強い想いと謎の自信でガンガン押せていたのが、徐々に「これ、何のためにやってるんだっけ...?」という疑問が頭をよぎることが増えてきた。もちろん、やっていることが色褪せて見えた訳ではなく、より深く追求していくうちに本質的な課題に気づいた、ということである。

そういった、事業をやることに対する不安感から、一個人としてのキャリアに関する不安にも目が向いてきたのが2018年の半ば頃。

「スタートアップの一人エンジニアで、この先発生する技術的課題に対処して行けるのだろうか?」
「あっという間に大学も卒業まで来た。エンジニアとして就職した同期は、研修やつよつよ上司の下で急成長するのでは?彼らはウサギで自分はカメなのでは?何なら進む道も見えてないカメなのでは?」

具体的にはこんな不安を持つようになった。そんな不安を払拭するための方法として、SNSを使って他のエンジニアの学び方やスキルセットを知ろうと思い、気になった人をひたすらフォローしてみたりした。

納得できていない状況を打破するために行動できたことに対して成長を感じたが、界隈で名を馳せているエンジニアやデザイナーをフォローして発信を見ていく中で、また違った悩みを持つようになった。

没頭するから成長するのだ、と気づいて呆然

Twitterで素晴らしい発信をしている人をフォローして、その投稿を日々見ていて気づいたのが、彼らは取り組んでいることを心から楽しんでいるように見えるということだ。

本当にそうかはわからない。見え方としてそう見えた。

エンジニアは新しい技術を次々試し、複雑な理論を学び、人のためにアウトプットを重ねる。グラフィックデザイナーは引き込まれるような幻想的・非現実的な絵を描く。動画クリエイターは現実世界の映像に3Dアニメーションを重ね合わせ、SF映画ようなの世界をたった一人で作り上げる。

みんな相当なインプットと、相当なアウトプットを相当な年月積み重ねてそこまで来たのだろう。しかし、なんとなく皆、成長に対する渇望のようなものは持っていないように見えた。

成長に興味が無いように見えるという訳ではなく、「好きなことを追求していたら結果として成長していた」というパターンに見えた。

それに気づいたとき、つまり成長の秘訣を探っていたときに、自分はその成長の秘訣を満たせていないと気づき、呆然とした。

「すごいと思っている人たちは今こんな思考をせず、その時間すら自分の好きなことを好きなようにやっている。その結果としてもれなく成長している」

学び①:「私的成功」が「公的成功」に先立つと知った

シェアハウスに住んでいる友達に紹介してもらった「7つの習慣」を読んだ。この本は端的に言うと「人生を"成功"させる方法」が書かれた本だ。

その中に、「影響の輪」、つまり自分がコントロールできるものの集合という概念が出てくる。影響の輪の中心にあるのは、「決意し、約束してそれを守る能力」だという。

事業をうまくいかせたい、社会に価値を提供したい、人から認められたい、不自由ない生活をしたい等の、他者との関わりの中でもたらされる成功(公的成功)は、まずは自分自身の決意に対して誠実に行動し、やり遂げること(私的成功)の後にもたらされる、という内容がまさにパラダイムシフトだった。

それまでは、「Give&Take」という言葉や、書籍「利他のすすめ」で述べられていることを解釈した結果「まず人にGiveすることで、自分自身が豊かになる」という考えを持っていた。

しかし、7つの習慣を読んで、常に自分がうまくいくことで、自分の外側に良い影響を与えられて成果につながる(=インサイド・アウト)という考えに変わった。

私的成功というと、まず自分が儲かるだとか、まず自分の意見が通るとかをイメージしてしまうかもしれないが、そうではなくシンプルに、自分自身に誠実に行動しきることが「成功」である。

これは先述の「好きなことを貫いた結果、気づけば成長していた」という成長のパターンの一つ下の、本質的な部分を見た考え方だと思う。

「好きなことを貫いた結果、気づけば成長していた」ように見えた人たちはもしかしたら、自分たちなりに自分を見つめ、目標を立て、それに誠実に行動していただけなのかもしれない、と気づいた。

それに気づいたとき、呆然としていた状況が少し変わった。「私的成功を目指すことは自分にもできるかもしれない」と思えた。

学び②:今この瞬間に集中する方法を学んだ

マインドフルネスを知ったのは、もう3年以上前になるかもしれない。事業を始めて、あれこれ忙しい中でパフォーマンスを上げていくための方法として会社の誰かが見つけて来た気がする。Googleで行われているマインドフルネスの文化をまとめた書籍「Search Inside Yourself」を読み、そのやり方や科学的な観点から見た効果を知った。

マインドフルネス瞑想を支援してくれるスマホアプリをインストールして、朝晩に取り組むことを習慣化した。

さらに、2020年10月4日から、シェアハウスの友達と一緒に毎朝マインドフルネスをやるようになった。

一人だとつい気が緩んだり、やらない日もあったりするが、仲間と一緒にやることでより質高くできるようになったと感じる。

マインドフルネスの要点は、「何も考えないこと」である。今この瞬間に完全に集中する。「なんか長いな〜」「今日の仕事何あったっけ」「これ、何の意味あるの?」これら全てすら考えてはいけない。人間の思考は基本的にどんどん拡散していくものだと思う。それを止めることは極めて難しい。年齢を重ねれば重ねるほど、同時にいろいろな方面に思考を巡らせてより良い判断ができるようになってくる。それと同時に、目の前のことに完全に集中することが難しくなってくる。

道路に転がったボールを追いかけて危うく車に轢かれそうになったり、ドッジボールをしていて授業に遅れたりするような、それしか頭にない状態。

マインドフルネスをやることで、思考があちこちにいきそうになったときにそれを自覚し、元の集中に戻そうとする訓練ができる。徐々に今に集中している時間が伸びてきて、その状態にすぐ入れるようになる。

その状態に入ることこそが、目先の作業の成果を最大化するということが実感を持って理解できてくる。

これこそまさに、冒頭で述べた時期に自分が至りたかった状況だと思う。

「目の前のことに集中するからこそ、その時間の生産性が最大化される。その積み重ねがいつの間にか大きな成果につながる」

学び③:具体的でない不安を解消する術を知った

これまでに書いたとおり、僕は何かと考えすぎてしまう性格のよう。考えることは悪いことではないが、それが悩みとなって日々のパフォーマンスを下げる状況は良くないと感じていて、その状況を脱する方法を模索していた。

ところで、デール・カーネギーの著書に「道は開ける」という本があるのは知っていて、いつか読みたいと思っていた。仕事場にたまたまあったので手に取ってみると、原題はなんと「How to Stop Worrying and Start Living」だった。まさにこれだ!と思って読み始めた。

その中で印象的だったのが、不安はその内容をより具体的にイメージすることで解消につなげる方法があるという部分だった。

何か不安に感じていることがあったとして、その不安をそのまま放置せず、具体的にどの部分を不安に感じているかを深掘りする。

冒頭で述べた、創業期に感じていた課題に適用してみるとこんな感じだ。

「あっという間に大学も卒業まで来た。エンジニアとして就職した同期は、研修やつよつよ上司の下で急成長するのでは?彼らはウサギで自分はカメなのでは?何なら進む道も見えてないカメなのでは?」

じゃあ、エンジニアとして成長できない、もしくは成長速度が相対的に遅いと何が困る?

自分より優秀なエンジニアがもし入ってきたら、自分の居場所がなくなる?

転職先を探す必要がある?うまく見つからなければ、その間の生活はどうなる?

振り返ってみると全く大した悩みではない。自分より優秀なエンジニアを招けている時点で、そのベースとなる事業のコンセプトや、既存のシステムの方向性で魅力を生み出せているということであり、そこに自分も貢献できている。自分の3倍できる人が入ってきても、その人の1/3の成果を自分が出せるならチームとして結構なパワーになる。それでも無理でチームを離れることになっても、そのすごい人の働きぶりを頭に焼き付けて精進すればいいし、次の居場所が見つかるまで、甘い考えだが近くにある実家にいれば良い。

極めてシンプルだが、非常に自分には汎用性がある思考方法だった。システムの設計一つとっても、意思決定で理想的でない選択をしてしまったときのデメリットを具体的に考えればそれほど大した影響ではないことも多い。

同様に、機能追加や大きなリファクタリングなどの多少なりともリスキーのある挑戦も、もし人為的なミスをしてしまったとしたら具体的にどのような被害が想定されるのかを正確に想定することで、挑戦に対する心理的ハードルを適切な位置に押し下げることもできた。

学び④:自分を信じる論理的な方法を見つけた

「マインドセット:『やればできる!』の研究」では、「能力は予め決まっているものではなく、努力次第でいくらでも伸ばすことができると考えること(=Growth Mindset)」の概念とその重要性が述べられている。

教育事業をやる上でぜひ伝えていきたい考え方だと感じて常に頭にあるが、ようやく、本当にようやく実感が伴ってきた。

僕は普段システムの設計・開発をするいわゆるソフトウェアエンジニアとしての働き方がほとんどで、基本的に未知の課題に挑み続けるような日々を送っている。

あまりに不具合の再現性がなくて途方に暮れたり、実現したいUIを作るためのデータベースやAPIの設計が決められず前に進まなかったりする日々が多い。

一つひとつの課題はどれも難しく、数日はかかることもざら。やりたいことが何一つ進まないのに、時間はどんどん過ぎていく。店舗を回すメンバーや、Webサイトや印刷物を改善するデザイナーチームは1日に何度もアウトプットを出していく。

またも冒頭で述べたようなジレンマに陥りかけた。

「やりたいことはたくさんあるし、リソースは限られているから、時間あたりの生産性を極限まで上げるしかない。でも、時間あたりの生産性を上げることを意識すると目の前の課題に集中できない。」

そんな局面に晒され続けていると、徐々に自信がなくなってくる。このまま不安な心理状態のまま、苦手な課題をごまかしごまかし過ごすのは、大変な苦痛に思えた。

その状況に対して、「いや、自分を信じることが大切だ!」と繰り返し唱えても、根から理系人間である自分にはあまり効果がなさそうに思えた。

この状況には、学び③に近い考え方を持って対処することができた。自分が自分の能力にどう感じているかに関係なく、自分が仕事にかけた時間と、その成果だけを見てスピードを測ることにした。

そうして自分のアウトプットを客観視した結果、感覚的には自分では正面突破は難しいだろうと感じていた課題が解決できていたり、見積もりの何十分の一の時間で解決できていたりした。

「今は感覚的には突破できないと感じている課題でも、自分が心配性で自信が持ててないだけで、やってみれば実は突破できるのでは?」と考えられるようになった。

ちょっと回りくどい自信の持ち方ではあるものの、自信を持つ第一歩であることは間違いない。

ただ時間をしっかり確保し、手書きのノートで徹底的に思考を深めて挑むという自分なりの勝ちパターンに常に立ち返るというルーティーンを決め、それを学び①にしたがってやり遂げることで、自分を信じる力を手に入れた。

2020年の頭には持っていなかったものをたくさん手に入れることができた

この4つの学びを主軸として、大きく成長できた1年だった。まさに、目の前のことに集中して楽しんだ結果、気付いたら大きな成果を出せていた。

日々の生活で笑える日々もすごく増えたし、心も安定していて未知の課題に挑む活力も日に日に高まっている。

2020年もまだ1ヶ月あるから、終わったときにより大きな成果を出せたなと実感できるよう、引き続き自分に正直に、誠実に毎日を楽しんで行こうと思う。

こうなれたのも今のシェアハウスのおかげ。

みんなありがとう!

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Engineering&Design/組織づくり/自分の中のモヤモヤを強みに変えていくためにアウトプットします。