フリー台本

クレジットフリーのフリー台本。短いです。
1人用のもの。一人称変更可。
日常を切り取ったものが多め。

コーヒー
「無邪気に走り回る子どもたちみたいな時代が私にもあって、それはもう巡ってこないのだとふと思いながら、ショッピングモールのフードコートで安いブラックコーヒーを飲む。カッコつけてブラックにしたけど、やっぱり苦いからシュガースティックを3つほど貰いに行こうかな。あの頃みたいに走り抜けられなくなったけど、どうしても変わらない自分の子供舌に笑いが込み上げた」

習い事
「最初は習い事に行くのも渋々だったのに、いつの間にか友達ができて、習い事も上達して、私が入口まで連れて行っていたのに、今は車から自分で急いで降りて行ってしまうようになった。子どもの適応力に驚かれつつも、ついこの間まで握って連れていった左手が寂しくなった」


「いつもの場所で外を観る。窓越しに見る世界はいつも平和だ。時々通る風も、外で生きる同類とも目で挨拶をする。そうしているうちに、寝てしまう。目を開けるとご主人がいて私は目を細めた。『大好きだよ』と。通じたかのように私の頭を優しく撫でて、同じ夕陽を窓から眺めていた」

友達
「売れ残りの私はおもちゃ。新しいシリーズが出て旧シリーズの私はセール品だ。おもちゃ屋さんにある親子が来て、新シリーズの人形を手に取った。新しいというだけで愛されていく人形に諦めにも似た感情を抱きながら私は見る。皆新しいものが好きだ。だから私はワゴンの中で天井を見つめる。ふと、女の子の声がした「あったよー。この子!」そう指をさされたのは私だった。「最後の1つですって良かったね」そんな会話が聴こえながら私は初めての友達を手に入れた」

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