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付箋活用法~穴をなくす勉強を~

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。今回はテキスト・過去問等に取り組む際の付箋の活用法についてお話しします。


【1】穴をなくす勉強

司法書士試験の学習(特に直前期)において大事なのが,「穴をなくす勉強」です。

「みんなのできる問題を確実にとっていく」のが司法書士試験の鉄則でありますが,これは,「みんなができる問題を失点すると致命傷になる」ということを意味します。だからこそ,手持ちの基礎知識の抜け(穴)をなくし,最終的には穴がすべてなくなっている状態に仕上げなければならないのです。

しかし,自分の穴となっている知識は,意外と自分でもわかっていないものです。模試や答練の問題を解いていても,普段の勉強から覚えていると思っていた知識を間違えた,ということも多かったはずです。要するに,穴がどこにあるのかが分からなければ,穴を埋める(なくす)ことはできないのです

【2】付箋活用法

そこで,「穴」を可視化する手段として有効なのが「蛍光色の付箋の活用」です。

具体的には,「テキスト読み込みの際に記憶があいまいだった箇所」「過去問を解く際に間違えた(あるいは正解したが判断に自信がなかった)問題」には,その箇所に直接,蛍光色の付箋を貼り,その箇所を重点的に取り組むのがオススメです。

蛍光色の付箋としているのは,蛍光色だと透けるので,該当箇所に直接貼ることができるからです。このような付箋の活用により,「穴」を可視化することができるので,穴をなくす勉強がしやすくなります。

【3】未来の自分へのバトンタッチ

さらにこの付箋は「未来の自分へのバトンタッチ」という役割も果たします。

本試験が近づくにつれて,「今覚えないと!」といった気持ちは強くなるものです。しかしこの気持ちが強くなりすぎると,ことあるごとに不安になって立ち止まってしまい,その結果,復習のペースダウンを招く結果になるというのはよくあることです。

そこで上記のように付箋を活用すると,「あとでまたちゃんと復習できる」といった安心感をもって,スピーディーに学習を進めることができます。

【4】付箋は臆病めに貼る

付箋を貼る際のポイントは「臆病めに貼る」ということです。

先ほど述べた「安心感」は「覚えてられていない知識=付箋の貼ってある箇所」という関係が成り立つからこそ得られるものであり,「まあ覚えているだろう」という不確実な知識に付箋を貼らないでいると,後々,「付箋を貼っていない所にも弱点があるんじゃないか」と不安になってしまいます。

なので,少しでも不安を感じたらとにかく付箋を貼るようにしましょう。また,覚えられた知識の付箋はどんどん剥がしていきましょう。

そして,超直前期(本試験から1~2週間前)は付箋が貼ってある「穴」となっている知識だけを繰り返し学習し,付箋0の状態で本試験に臨むのが理想です。

すなわち,直前期の学習のゴール(目標)を「本試験前日に付箋をすべて剥がしきること」に設定するのです。穴となっている付箋をはがしたということは,(少なくとも建前上は)穴はすべてなくしたということですから,これにより,自信を持って本試験に臨むことができます。

また,剥がれていく付箋を見て着実に自分は前に進んでいるという,いわば「成長の可視化」によるモチベーションアップも期待することができます。

【5】付箋活用法の実践例

今回ご紹介した付箋活用法の実践例がこちらです。

〔実践例~「これでわかる!基礎完成講座」講義テキスト~〕

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このように,付箋は該当箇所に直接貼ればよく,ページからはみ出して貼る必要はありません(ページからはみ出して貼ると,付箋の多さに勉強する意欲が削がれるため)。

また,信号と同じ色分けで,重要度に応じて「赤:重要なのに抜けてる,黄色:まあまあ重要なのに抜けてる,青:細かいけど抜けてる」,あるいは,定着度に応じて「赤:完全に忘れてる,黄色:うろ覚え,青色:少し不安」といったように,色を使い分けてもよいでしょう。


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