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【あおもり紀行】第7話。浅瀬石川ダムで水と米作りを思う

黒石市から八甲田を抜け、十和田湖方面に向かう。奥入瀬渓流の紅葉は見頃を過ぎてしまっているだろうけれど、一応抑えておきたい。

国道102号を浅瀬石川に沿って登っていく。この道を通るたびに思うのは、浅瀬石川はいい川だ。

どうでもいいことだが、高校の時の現文(だったかな?)の先生が浅瀬石先生だったな。

浅瀬石川の砂防ダム

浅瀬石川について、ウィキペディアからちょっと引用。=====================================
浅瀬石川は、岩木川水系の主要な河川である平川の支流である。十和田湖の西側に広がる八甲田山系を水源として概ね北に流れ、黒石市内を貫流したのちに南津軽郡藤崎町において平川に合流する。平川は浅瀬石川と合流すると直ぐに岩木川に注ぎ、北へ流れ十三湖を経て日本海に注ぐ。ダムは黒石市の上流部、温湯温泉の上流にある。

「浅瀬石川ダム」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2021年12月28日 01:31 (UTC)

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岩木川の下流。田んぼとアレ

浅瀬石川の源流はどこなのだろうかと調べていたら、岩木川水系の水問題に当たった。津軽は昔から水に悩まされてきたんだど。

簡単に言うとこういうこと。
津軽は昔から飢饉(ケガヅ)が多い。
→田んぼを増やして米を増産した
→水が足りなくなり、ひんぱんに争いが起きていた

もう一つ。岩木川は昔から洪水も多い。
上流が急なのに対して、下流は流れが遅く、終点の十三湖は海への出口が狭い。だから、ひとたび大雨が降ると水が流れずに、あふれてしまう。

1615年(江戸時代初期)から1940年(日米開戦の一年前)の325年間で、108回洪水が発生していたそうだ。3年に一度洪水が起きていた計算になる。せっかく米ができても、流されてしまったらなんにもならない。ご先祖様達は難儀していたんだな・・・

岩木川が流れこむ十三湖。左側奥は権現崎

この問題を解決するために浅瀬石川には、
1945年(昭和20年)に沖浦ダムが、
1988年(昭和63年)に浅瀬石川ダムが、1995年(平成7年)に二庄内ダムが作られた。

なお、沖浦ダムは日本初の「建設に着手した多目的ダム」だそうで、日本初の「完成した多目的ダム」は山口県の向道ダムだそうだ。地方あるあるの日本一争い。

他にも大鰐町に早瀬野ダム、西目屋村に目屋ダムや津軽ダムなどを作ることで、岩木川水系の水問題は解決されていったということだ。

津軽は、がっぱ(たくさん)雪が降るから、水もがっぱありそうだけど、そんなことなかったんだな。そういえば津軽のあっちゃこっちゃにため池あるけど、米を作るために水が必要だったんだな。

虹の湖公園の紅葉

2021年は米が安かった。
2021年産米の概算金、買い取り価格が全国で大幅に下落し、2020年よりも2〜3割低くなったと全国で報道されていた。

ただ、スーパーで買う米は安くなっていない。どういうことだ?

供給過剰はもう何十年も続いているわけだから、需要と供給の市場システムで米を売るのはもう無理でねぇかな。

稲いーねー

ふと、思いついた。
米を作るのと、田んぼにソーラーパネルを敷いて、電気を売るのとどっちが儲かるんだべ?

かなり大雑把に(ここ強調するとこ)試算してみた。

※米※
10aあたりの水稲の収穫量:628kg(※1)
2021年産つがるロマンの概算金:8,200円/60㎏(※2)
10aあたりのつがるロマンの価格:85,826円

☆売電☆
300坪の年間売電収入:365万円
(太陽光発電総合情報のサイト(※3)より。10a=1,000㎡≒302.5坪)

うーむ。比較にならないな。
しかし、この売電価格は最大値だと思われ、将来、買取価格は下がるだろう。青森県で冬はどの程度発電できるのかわからないし、初期費用は4,500万円もかかる。

売電はマイナス要素がたくさんあるので、単純に比較はできないけれども、こんなに差があるとはビックリ。初期費用がなんとかなれば米を作るよりいいんじゃないか。

米作りにおいては、これまでダムを作ったり土地改良したり多額の税金が使われてきた。それと同じようにソーラーパネルを導入するために、補助金を出せないものか。

津軽平野に沈む夕日と、稲刈りをする農家

徳川家康が、百姓は生かさず殺さずと言ったと言われていますが(実際は違うようですが)、今でもこの状況は変わっていないように思える。

農地にソーラーパネルを設置するのは規制があるし、わぁは、なにも津軽平野をソーラーパネルだらけにしたいわけではない。

大事なのは米農家の収入を上げるための方法を考えることだと思う。

津軽平野に田んぼが広がっている風景は、わぁの原風景ともいえるので、この先もずっと変わらずにいてほしいと願うのだ。

(※1)東北農政局の資料から令和2年産水稲の収穫量(青森)https://www.maff.go.jp/tohoku/press/toukei/seiryu/attach/pdf/201209-2.pdf

(※2)
21年産コメ概算金 青森県の低さ目立つ(2021/09/23東奥日報)
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/681926

(※3)太陽光発電と設置面積(太陽光発電総合情報のサイト)
https://standard-project.net/solar/sangyo/menseki.html

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