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オーガニック〇〇、ボタニカル〇〇の落とし穴

操作イトウです。

※追記 この投稿をベースに、R2.7.24、文春オンラインに寄稿させていただきました。こちらもご参照ください


今回はヘアケア商品のみならず、美容界のあちらこちらで目にする「オーガニック」と「ボタニカル」についてです。

自然派指向の方だけでなく、ここ数年で一般層にも関心が高まっているように感じます。ケミカルなものでなく天然成分を配合していて、安全安心、イイ香りのイメージですね。百貨店のテナントに入るオーガニック専門店も多くて、パッケージもお洒落なものが多い。

ですが、それが100%正義かと言うと、ちょっと違う。

美容師目線で見る、髪の毛に関わることについてを中心にお話しします。

まず、注意喚起!

令和2年7月現在、日本には「オーガニック」や「ボタニカル」と名乗る為の、コスメ類の規定がありません。海外にはそういった協会などがあるのですが。

なので、メーカー側は商品のブランド価値を高めるために、海外(特にヨーロッパ)の認証を得ることが主流になっています。

それぞれの協会が規定したオーガニック成分を配合すること、またオーガニック成分の配合比率など、水準を満たしていないとマークはつきません。

認証を得ると必ずマークが表記されるので、選ぶ際には大きなポイントになります。

認証マークを載せているサイトがありました↓


このため日本では、一つ落とし穴があります。

オーガニック成分は栽培、抽出するのに手間がかかるため、ひとつひとつが高価です。沢山配合すると、もちろん値段が上がってしまいます。

そのため、99%科学成分なのに、ちょびっとだけオーガニック成分を配合して「オーガニック成分配合」などの表記をして、実質オーガニックでない製品が横行しています。

ドラッグストアなどで売っている安価なものは疑わしいので、必ず認証マークをチェックすることをオススメします。


そもそもの言葉の棲み分け

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オーガニック] 有機肥料によって生産された農産物。化学肥料を使ってない。

ボタニカル] 植物由来の。

といった形です。オーガニックは作られたものを指していますが、

ボタニカルは幅が広く、一つの思想やライフスタイル的な側面もあるようです。言葉に凡庸性があって、「ボタニカル〇〇」と表現しやすく、言葉の響きもなんかお洒落。


ケミカルは悪なのか?問題

サスティナブルな物が必要とされる昨今。ビニール袋の有料化なども含めて、自然に優しい、持続可能なものづくりが推奨されていますが、


果たして(ケミカル)科学成分は悪なのか? 


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科学成分は科学を駆使して、最新の効果を得られます。

成分に前例がなく、副作用がある可能性も否定はできませんが、世間のニーズに合わせた物を製薬会社は作るため、時代に沿った新しいライフスタイルの提案に繋がることもあります。

一方で天然成分は認定を受けた成分なので、効果が限定的です。

また科学成分は安価で作りやすいのに対して、天然成分がゆえ割高でもあります。

そして、オーガニックは安全なイメージが強いですが、植物由来の天然成分なので、モノによってはアレルギー反応を起こす事もあります。ヘアカラーに代表される「ヘナカラー」も、100%安全とは言えません。こればかりは相性なのでマイナスではないのですが、人によりけり、と言ったところです。


良くも悪くも、消費者側には選択肢が広がっていますので、理解を深めた上で使うことをオススメします。

ではまた。






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