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野球部引退した高校球児は髪伸ばしがち 髪の毛にまつわる都市伝説①

操作イトウです。

10年以上美容師として仕事をしていますが、美容師から見ると、世間には、髪の毛に関して間違った知識が広まっていることがよくあります。

例えば「一夜にして白髪になる」。ショックを受けたイメージとして、テレビドラマなんかで一般化していますが、根拠は無く、実際にはありえません(これは次回やります)。

そんな都市伝説化した事柄を、シリーズ化して挙げていこうと思います。

第一回目は、「ボウズにすると髪質が変わるのか?」についてです。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

結論としては、否!

科学的な根拠はありません。

では、何故これが都市伝説的に広がったのか、考察します。


都市伝説化したきっかけを考察する

どういった経緯で広まっていったか断言することはできませんが、僕が個人的に推しているのは、


『野球に打ち込んだ高校球児の部活引退説』です。


高三まで一生懸命野球に打ち込んだ高校球児たち。

小学生から野球チームに所属し、ある種の青春を犠牲にしてボウズを貫いてきた彼ら。

高校での部活動を終えた暑い夏に一区切りつけ、受験勉強と共に彼らが想う気持ちは一つ。


「髪伸ばして、オシャレして、モテたい!!!」


オシャレのオの字も知らない彼らはとにかく闇雲に髪を伸ばします。

野球を始める前の、ボウズになる前のあの頃のヘアスタイルをイメージしながら。。。

そして2〜3ヶ月経つと、徐々に前髪やえりあしが生まれ始めるのだが、


「あれ?ぁあれ〜??」

「なんかくるくるチリチリなんだけど!なんで〜??」


みたいになるワケです。それはなぜか?

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そもそも『クセ』ってなんだ?

いわゆる『クセ』には、「ウェーブ」「毛量」「生えグセ」の3種類がありますが、特にイメージしやすい「ウェーブ」について説明します。

「毛量」「生えグセ」などについてはこちら↓


髪の毛の形状には種類がありますが、ウェーブ具合を指で測った大体10cmからタイプ分けします。

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・まっすぐ 

いわゆる直毛です。動きが出て見えにくいのが特徴です。短いとツンツンした印象になりやすく、長いトストンと落ちた印象になります。

・Cカール 

ウェーブと呼ぶうちに入らないほどゆるい髪の毛ですが、直毛よりも動きや立体感が出やすいので、自然な印象になりやすいです。

・Sカール 

何もしないでいてもウェーブが見て取れるレベルですが、ドライヤーなどで乾かしながら伸ばしたり、逆に強調できたり、ヘアスタイルの幅が広いのが特徴です。

・くりんくりん 

このあたりからはしっかりウェーブに見えます。

ウェーブを活かしたヘアスタイルであればパーマ要らずのため、プラスに働くこともありますが、悩みの種になりやすいレベルです。

上手にブローができないと真っ直ぐにはならないため、ストレートパーマをする方も多いです。

・じりじり 

ボリュームが出やすく、頑張っても爆発するレベルです。黒人の髪質に近いと言えます。


なお、『髪質』『毛量』『生えグセ』などは、その人その人のご両親の遺伝によるところが大きく、お顔や後ろ姿、声や仕草が似るように、髪の毛の遺伝は顕著です。


髪の毛は二度生まれ変わる

髪の毛は、根元から生えてきます。

先っちょから伸びていく植物とは違って、毛先を押し出すように根本が生えることで、髪の毛は伸びていきます。

ヘアカラーをした明るい髪の毛が、何ヶ月も経つと根本に黒い毛が生えていわゆる『プリン』になるのはこのためです。

なので、生えてきた根本は、やがて毛先になっていきます。

また髪の毛は、1ヶ月に大体1cmぐらい伸びています。

なので今、先っちょにある毛先は、何ヶ月も、何年も前に生えてきた髪の毛、ということになります。


この髪の毛は一次性徴、二次性徴の時に大きく変化します。


これは、ホルモンバランスが大きく変化するタイミングで髪質が変わるとされています。

柔らかい赤ちゃんの毛からしっかりした子供の毛に、子供の毛からよりハリのある大人の毛に変化していきます(個人差はあります)。


また人によってですが、産後の女性も髪質が変わりやすい傾向があります。

産後に髪の毛がたくさん抜けるのですが、その後生えてくる毛が大きく変化することがあり、後年それが以前に戻ることはありません。

抗がん剤の治療を終えた方も、生えてくる髪質が変化します。

実際に治療するお客様の髪の毛を前と後でカットする機会がありましたが、見た目は普通ですが、今まで出会ったことのない独特な髪質をしていました。

ウェーブの「じりじり」に近いのですが、張りが弱く、それとはちょっと違いました(必ずその髪質になるかはわかりません)。



思春期をボウズで過ごした高校球児

高校球児は、二次性徴期におきた髪質の変化を感じ取れないまま過ごしていたため、伸ばしてみてやっとそれに気付くのです。

この経験をした方は少なくないはずです。


理由の分からない「引退してボウズを伸ばしたら髪質変わってた」はその人たちのあるあるネタになり、

それが飛躍して「ボウズにしたら髪質が変わる」になったのではないでしょうか。


これが僕の提唱する『野球に打ち込んだ高校球児の部活引退説』です。信憑性も高い気がする。。。


その時はショックだけど、それはネタになる

以前に大泉洋さんがバラエティ番組で、

「中学の修学旅行中に、宿泊先でお風呂から上がってドライヤーで乾かしたら天然パーマになった!」と言っていました(内容が違ってたらすみません)が、

修学旅行前に散髪して、ちょうど変化した髪の毛が伸びてきてたのかな?ちょっとわかりません(ドライヤーのせいでは無い)が、

僕はテレビの前でゲラゲラ笑ってました。

本人にはコンプレックスだったり悩みのタネだけど、髪の毛は自虐ネタのようにお笑いのネタにもなりやすいジャンルなので、

盛った話が真に受けて捉えられやすいのかもしれませんね。


信じるか信じないかはあなた次第!

また時期を見て都市伝説ネタ書きます。。




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