絵本のような、であって、絵本ではない
夜の9時30分だった。スマホに電話がかかってきた。
「ページの紙の件なのですが」
私の新刊「アラフォー女子の厄災」を作っているH氏である。
「ページの紙?」私。
「紙の問屋が、この紙では、厚すぎるのではないか、といっているのです」
その件については、すでに打合せ済である。
「絵本のような本を作る、というのが、この本のコンセプトなので、厚くてもいいのでは」
「いやいや、それにしても、厚すぎる、と。この本は、絵本のような、であって、絵本ではないので」
たしかに、絵本のような、であって、絵本ではない。私は、絵本は書いていない。あくまで装丁の話である。
「でも、紙は、厚くていいと思います」私。
「厚いんじゃなくて、厚すぎるんですよ」
「厚すぎてもいいんですよ」
「いやいやいや、これは、厚すぎなんです」
そんな果てのない問答を繰り返しながら、夜が更けていく。
そろそろ校了である。
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