舌好調は、生きる術

自営業の方で、10年以上、来店されないお客様がいる。鮎釣りが、半端なく好きな方だが、今頃どこにいるのだろうか?毎年、夏場に、二ヶ月程仕事を休み、日本全国、釣り三昧。自分も多少は、鮎釣り等の経験があり、釣りの醍醐味は、理解出来る。楽しい話を聴きたいので、早速連絡を取るつもり。30年以上前、鮎釣り客に知られた、会津若松の「田事」旅館に、仕事の為、かなりの頻度で投宿していたことがあった。客たちは、夜から早朝まで、バタバタとしており、とても寝るどころでなかったが、童心に帰る大人達の一途さが、羨ましくもあり、微笑ましかった。

かつて、人に「桜前線を追って、南から北迄移動する旅が出来たら最高」などと言っていた。夢また夢。何、寝言を言っているんだと呆れられるかもしれないが、こんな時代を迎え、発想の転換が必要かもしれない。大風呂敷を広げたビッグ(big)な夢であろうと、人には小さな出来事に見えようと、非日常の体験により、視点を変えるのに、役立つからだ。今までしがみついていたものが、つまらなく見えたり、改めて、見直したりすることが出来るからである。自分にも、やってみたい事がある。レポーター(reporter)などが、観光案内、食レポをしているが、言わされているか、スポンサー(sponsor)に忖度しているような気がする。実際と、違う事が、多々あるからである。自分で潜入調査?をしてみたい。最も、無名だから、気楽であり、使命感はない。全国区になってないが、知る人ぞ知る、スポット(spot)、産品や食べ物を発見し、人情の機微に触れてみたい。地域を限定するか、キイワードを決めるかして、年に一週間か十日程費やし、リフレッシュ(refresh)する。こんな贅沢で、能天気な所行を寿命が許してくれるかわからないが、やってみる価値はあると思う。

今、舌好調だから、こんな、たわいもない事が言えるのかもしれない。60才を越えるまでは、自分が、人並み以上に、味覚に拘っているのを封印していた。最近、ミュージシャンが、小さい時から絶対音感に恵まれていたと話していた。キャラと相まって、そんな発言も許せるのかなと思った。絶対味覚や黄金の舌の持ち主はいないと思うが、自分は、普通以上の味蕾を持っていると自負しているが、他人から見たら、単なる食いしん坊に過ぎないかもしれないが、世を生きるモチベーションにはなる。つい先日、定年になった方と話したが、話し方といい、営業の性を見せられ、悲しくなった。やはり、まだお荷物を背負っていたのである。もう解放されてもいいよと言ってあげたかった。営業で培った、無理やり、人に慣れ、合わせることから多少でもお話が出来るようになリ、人が怖くなくなったし、人の生きように興味がある。これも生きる術にはなる。ある程度、健康だから言えることではあるが、これからも舌好調を掲げて、日々を更新していくつもりである。

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