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(初心者用)仮想化システムって、結局どうなの?安いの?高いの?

はじめに

過去のノートで仮想化システムについて記載してみたものの、ちょっと難しい内容だったりするため、改めて簡単に書いてみようと努力してみた。

勤務先では、一部のシステムを除いて、仮想化システムに移行中。でも、色々な条件があるので、一概に良いよ!とは言えない。クラウドもそう。ここでは、AWSやAzureといったクラウドには触れないけど、もっともっと分かりやすく経験から語りたい。

なお、「サーバ」用語が溢れるため、ここでは、物理的にあるサーバを「物理サーバ」、物理サーバに仮想環境を稼働させて動かすシステムを「仮想化システム」、その仮想化システム上で仮想的なサーバを「仮想マシン」という具合に区別して記載しています。

仮想化システムって何?

仮想化システムっていっても、仮想化システムを作るには物理サーバが必要。そして、その物理サーバ上に、サーバが幾つも稼働できるような空間を作って、物理サーバに搭載されたCPUやメモリやハードディスクといった、サーバ処理を行うのに必要な資源(リソース)を、仮想マシンに対して割り当てていく。

つまり、仮想マシンが10台必要であれば、「最低」10台以上のリソースの確保が必要。ここで「最低」と書いたのは、仮想化システムを稼働させている物理サーバがダウン(停止)した場合、物理サーバ上で稼働している、多数の仮想マシンがダウンしてしまう。そのため、物理サーバを一般的に3台で冗長化させ、1台の物理サーバがダウンしても、残りの2台の物理サーバで対応できる構成を取る必要がある。

うぉ〜!サーバだらけでよくわからない…

例えば、物理サーバ3台に対し、物理サーバ①に仮想マシン1、2、3。物理サーバ②に仮想マシン4、5、6。物理サーバ③に仮想マシン7、8、9、10があったとします。そのうち、物理サーバ②が故障しダウンした場合、この物理サーバ②上で稼働していた仮想マシン4、5、6を、稼働中の他の物理サーバ①③に移動が必要です。この移動「マイグレーション」と呼ぶので、ダウンタイム(ダウン時間)無しで移動しないと意味がないので、そのライブ的にマイグレーションが必要。例えば、VMwareではvMotion(ブイモーション)と言ったりします。

絵で表すと、以下になる。

マイグレーション、vMotion

つまり、仮想化システムを利用するにあたって、仮想化システムを構成している物理サーバーの1台がダウンすることを想定した構成を考える必要がある。更に、この物理サーバ上に、仮想化システムをも載せるため、相当多いリソースを確保する必要がある。

サーバを例にしたのがまずかったかな。この季節、みかんが美味しい季節。みかんを例に、言い換えてみよう。

3つの籠に、みかんがバランスよくあったとする。

かご②が底が抜けて、他のかごに移し替える必要がある。

でも、かごの限界もあり、かご①③共に、残りはみかん1個ずつ。つまり、この籠においての限界みかん数は、残り2個となる。この2個を、例えば5〜6個でも耐えられるようにするには、もっと広い籠に変える必要があるよね。

仮想化システムは結果的に費用はどうなの?

費用的な面で行くと、「高い」「高額」「安くはない」と言ったところ。正直に言って、「高い」です。

仮想化システムは費用で比べるとNG

クラウドもそうだけど、仮想化システムの費用は、物理サーバと比べると比較にならないほど高い。じゃ、何で比べればいいのか?

①気軽にマシンを作成でき、気軽にマシンを削除という開発環境が気軽に作れる。これ、物理サーバでやろうにも、なかなか難しい…。リカバリに半日は軽く取られてしまう。ケースによっては、リカバリ失敗した場合は青ざめる。

②物理サーバの台数が増えれば増えるほど、更新(入換え)が面倒。特に更新の場合は、新旧物理サーバをラックとかに収納しなきゃいけないので、更新用のスペースが必要。また、UPSを装着している場合には、新旧UPSの設置が必要となる。また、バックアップにおいても、1台ずつ用意しなきゃいけない。全てがばらんばらん。

③運用保守も面倒だね。物理サーバ10台、UPS10台あれば、それぞれチェックが必要。特にUPSは稀に3〜4年目でバッテリー交換アラートが鳴って交換しなきゃいけない。物理サーバも当たり外れがあり、HDD故障で交換が必要。同時期に入れた物理サーバの場合は、そっちも壊れる可能性あるね、って心配しなきゃいけない。面倒だね。

④L2スイッチ、HUBだね。これも、24ポートだと不足するので、48ポートとかで対応しなきゃいけない。もしくは、通常業務用ポート、更新一時用ポートとかで分けなきゃいけないし、これらのL2スイッチにも寿命があるので、まぁ、面倒だね。特に、バックアップ回線用に10GbEとかで対応している場合には、たっかぃよね…。

⑤KVM、コンソールモニターだね、それも、新旧切り替えながら行うのか、ポート数の多いKVMを用意しておく必要がある。これも、モニター自体の寿命があるので、更新の検討も必要で、面倒だね。

物理サーバが多くなれば多いほど、面倒だらけになる。これを仮想化システムに変更することで、KVMは利用できないので、基本、仮想化システムのコンソール経由となるし、10GbE NIC(LANジャック)は基本的にシェアされるし、運用保守面も、仮想化システムのダッシュボードで健康状態を見ればよい。UPSは仮想化システムに対して行えば良いので、1式で管理ができる。仮想マシンの作成は数分で削除は1分以内で行え、気軽に検証ができる。

つまり、仮想化システムを導入することで、運用保守が大幅に削減できると共に、検証環境が行え、バックアップもシンプルになるので、業務効率が大幅に「向上」する、とでも言っておこう。

まとめ

今回の章では、仮想化システムって結局安いの?どうなの?について経験したことを書きました。値段は「高い」が、業務効率はとんでもなく「向上」する。多数の面倒運用保守も大幅に軽減するため、ヒトが来ない情シスにとっては、人員増加、別にどうだって良い感覚に陥るリスクがある。

ってとこかな〜〜。

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