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【書籍紹介】会社のITはエンジニアに任せるな!

「会社のITはエンジニアに任せるな!」というある意味挑発的なタイトルになっています。タイトルにITという単語が含まれていますが、タイトルからもわかるようにエンジニア向けの本ではありません。むしろ、ITを専門としていない一般の方向けの本と言えます。ITに関する専門用語が出てこないので、一般の方にも読みやすい本かと思います。

本書で印象的なのは、「ツール型IT」と「プラント型IT」と区分して、ITを単なるツールだけと捉えていないところです。今やITは業務と切っても切り離せないものとなっており、業務と一体化している「プラント型IT」の重要性を訴えています。

本書にもある通り、ITプロジェクトの成功率は30%と言われています。これは、「プラント型IT」を構築が難しいということを示しています。なぜ難しいかというと、「プラント型IT」は業務と一体化しているものなので、単にITの技術があれば構築できるものではないからです。

そのため「プラント型IT」を構築するためには、「経営幹部」「業務担当者」「ITエンジニア」の参画が必須で、三者が協力して担わなければならないということです。

ただ、三者の持つ知識や考え・思いなどは必ずしも一致しておらず(というよりは異なっていることがほとんど)、そのためコミュニケーションにすれ違いが起きやすく協力関係・信頼関係が築けないことが多いです。本書では、それぞれの思考パターンや起こりがちなすれ違いの例などが紹介されています。より強い協力関係を築くためにも、相手との考え方の違いを知り、すれ違いを減らすことが大切かと思います。

また、本書では三者の間に入るPL(プロジェクトリーダー)の重要性を説いており、PLがどういう役割を果たし、そのためにどういった人材を充てる必要があるのかも書かれています。

終盤は、著者の会社の宣伝文句のようにも読めてしまいましたが、それでも「こういう会社に任せれば安心なんだろうな」と思えるようなものでした。

仕事としてITに関わっている人のみならず、すべての人に読んでみてほしいなと思う一冊です。

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