「専業トレーダーになる」とは?(私見)

世の中には「仕事を辞めて専業トレーダーになりたい」と思われている方が多くおられると思いますが、専業トレーダーの実態はネットを見てもほとんど見えてこないように感じます。
そこで、この記事では「専業トレーダーになるというのはどういう事なのか?」について私見をまとめてみたいと思います。
※私のトレードスタイルは「デイトレード(ポジション保有:数時間)~スイングトレード(ポジション保有:数日間)」で、スキャルピング等の短期(ポジション保有:秒~数時間)や長期(数日~週単位以上)などスタイルの違いによって意見は変わってきますので、この記事が唯一の正解にはならない事をご了承ください。

1.専業トレーダーを違う業界に例えるなら・・・

専業トレーダーは、例えるなら漁師(漁師経験はないし知り合いもいないですが・・・あくまでイメージ)みたいな感じでしょうか。

・漁のシーズンが来ても、天候等の外的条件が悪ければ漁に出られない
 漁に出られなければ無収入(最悪、1シーズン~1年、無収入もありえる?)
 無理して漁に出れば事故に遭うリスクさえ高くなる
・一方で、状況がはまれば大漁 → 当面の生活は安泰
・しかし来シーズンの事は分からない(常に不安がつきまとう)

要は、「安定」とは正反対なのが専業トレーダーの実態です。

2.「専業トレーダー」には、サラリーマンが持たないパラダイムが2つある

①会社員にとっては常識の「月収」という概念が通用しない
「スキマ時間でトレードをしてサクっとお金を稼いでいく」など、自分都合のトレードで勝ち続けられるほど、相場の世界は甘くないです(自分都合でトレードすると、お金は減っていきます)。
自分都合ではなく相場都合(相場環境が自分のトレードスタイルに合っていれば狙う、合っていなければ関わらない)でチャンスを辛抱強く待つ必要があり、チャンスがこなければトレード自体行わないのでその間は無収入が続きます。 なので、日単位はもちろんですが、月スパンでも収益は安定しないということを受け入れなければなりません。 それを、「目標月収」等を設定して達成する観点でトレードを行うとプラスには働きません。

②「努力をしたのにお金が減る」事は当たり前
大半のトレーダーが苦しむのは、ここではないしょうか。 サラリーマンは労働時間がお金になって返ってきますしそれが当たり前と思っています(サービス残業等は社会問題になりますよね)。 しかし相場の世界は、相場環境をキッチリ分析して、チャンスを(場合によっては何日も)待って待って、ついに来たとエントリーしたらダマされて損切り、という事は珍しくないです。 つまり、サラリーマンに例えると「サービス残業までしたのに、給料に反映されないどころか何故か給料が減額された!」という理不尽?な出来事を「当たり前」として受け入れなければならないという事です。

この2つのパラダイム(①定期収入なんていうものは無い ②一生懸命努力してもお金が増えないどころか奪われる事は普通)を心から受け入れられない方には、専業トレーダーはおすすめできないです。

3.サラリーマンが「専業トレーダーになる」というのは、サラリーマンが想像するよりも大変

漠然としたイメージで「専業トレーダーってお気楽そうで夢があって良いな」等と思われることがあるかもしれませんが、生活リズムがある程度安定したところまで到達するのは、ぶっちゃけ相当に大変です。 自由時間は劇的に増えますが、反面、強力なストイックさも求められます(オン/オフの自己管理)。 個人技系スポーツや棋士などのプロの世界と本質的には大きくは変わらないような気がします(彼らも遊ぶことはあると思いますが、基本、見えないところでも本業にトコトン心血注いでいますよね)。

言いたいことが散漫になってしまうので別の記事で書いていきたいと思いますが、そういう意味で個人的には「兼業トレーダーを目指す」ことをおすすめしたいです。
自分の経験からになりますが、現状トレードで資金を増やせていない方がもし専業トレーダーを目指すのであれば、
・現状の生活費の最低3年分のお金

・1年分のトレード資金
を貯めてから決意する事をおすすめします。 1年やそこらで「生活リズムの安定した専業トレーダー」になれるとは夢見ない方が良いと思います。

一方で、兼業トレーダーであれば「生活費」というプレッシャーにさらされず堅実に「稼ぐ力」を付けていけ、この違いは本当に大きいです! 兼業を続けてトレード年収がサラリーマン年収を超えるようになってから専業化を考えるのが「サラリーマン的 専業トレーダーの目指し方」かなと思います。

※しつこいですが(汗)、この記事内容は私見で人によって意見は異なることもあると思います。 ただ、この内容は自分の経験からのホンネの意見であることをご理解いただけると幸いです。


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