後悔を恐がるようになったこと

今日はエア寺主催のいのちの会でした。


先月は地獄という重いテーマでしたが、今月は言葉というテーマです。

今回のファシリの辛島さんから、「人生の転機となった言葉は?」という問いが出され、それに答えていく形で今日は話を進めていきました。


色々と思いを馳せながら、僕は「後悔」という言葉に出会って、人生が結構決まったような気がしました。

これは父親がくれた言葉です。
あ、父親は今も元気に存命でオヤジバンドやってます。

で、僕が高校野球の最後の大会で負けたてホヤホヤでしたが、気持ちを切り替えて受験勉強をしている初日に、父親が部屋に入ってきて言いました。


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父「おう。ちょっとだけええかー。」


僕「ああ、勉強してるけど、大丈夫やでー」


父「勉強してるか、そうかそうか。今、ちょうどみんな勉強をしている頃やから、お前も勉強せなシャーないわな。笑 ほんでな、まあいまいうておきたいなーということがあったから、伝えておこうと思ってな。」


僕「うんうん」


父「勉強しとかなあかんぞ、とかそういう意味ではないんや。ただなー、いま言えることがあったのに言わなかったとしたら、俺が後悔するから、伝えておこうと思っただけや。それはな、もしも、今お前が勉強以外に特にやることがないなら、やっぱり勉強しておいたらいいと俺は思うし、ただしもしも中途半端にやるくらいならやらんでええぞということや。


極端な話、中途半端に勉強するくらいやったら、本気で極道にでもなってくれた方がええと思う。ほんまやぞ。


今(当時20年前です)、大学受験による差別は少なくなってるとかテレビで言われていることもあるけど、やっぱり仕事で面接するときに感じるのは、そういう差別はまだまだあるってことや。そいつがどんだけ頑張ったとか、素敵な人やとか、そんなんは関係なく判断されることがあるってことや。


それはもう、純粋にその時期に頑張っただけのことをずっと評価されるということや。しょうもない話や。でもこれが社会やし、その社会がこれからもそんなに変わらんとは思う。そうすると、この時期に頑張ったか頑張らんかったかで、人生の選択肢は大きく変わってしまう可能性はある。


もしお前がやりたいことがあって、それを大学のレベルで判断されることがあったり、この時期に頑張らんかったことが理由で話も聞いてもらえへんかったら、その時にお前はこの時期にやらなかったことを後悔するやろう。


そんな風にお前が将来後悔する姿を見たら、俺がいま言わなかったことを後悔するなあと思って、今日伝えておこうと思ったんや。」


僕「うん、せやな、確かにそうや。」


父「別にどんなこともしててもええけど、後悔はせんように生きていては欲しいなと思ってる」


僕「わかった、それは覚えとく」


父「ほな、頑張れよ」


僕「はーい」


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といったやりとりがありました。20年と2ヶ月ほど前ですね。


僕は父親と話したこの日のやりとりをとても大切に思ってまして、その中で「後悔すんな」という言葉を、父親自身もまた後悔しないように生きていることを教えてもらって、とても強く意識するようになりました。

それは「後悔」という言葉が怖いもので、やってしまうとよくない、親父自身も嫌がる、親父もがっかりさせる、僕もきっと嫌な気持ちになる、得体の知れないよくないものとして忌避してきました。

実際にその後、いろんな本を読んでも、人生の晩年に言葉を残す偉人たちは大体「後悔はしないように」とか「やったことは後悔しないが、やらなかったことは後悔が残るものだ」とかそういうことを書いてあるのをたくさん読みました。


だからこそ、後悔を、しない、ことを大切にすべく合理的な判断をして行動するよう心がけてきました。

後悔をしないように行動すれば、色々と勇気が出たし、将来に後悔を残すような決断はできないと思うと、今のうちにやるべきことをやっておこうという気持ちになり、臆病な自分を奮い立たせることにも役立ちました。


今の人生はとても豊かだし、後悔をしないことを大切にして生きてきたことに後悔はありません。

だからこそ、今までは「後悔しないようにと考えて」きたこと、つまり「後悔を恐れて」いたことから一歩進んでみて、「後悔などないと信じて」いくこと、つまり「後悔を恐れない」「後悔に囚われず」に生きることと、合理的からより直感的に、また情緒的に生きることを味わうことができるんじゃないかと思ってます。


後悔しないように意識して生きることで、たくさんのことを学ぼうとしてきたことによって自分が形成されました。

そして今後は、自分が選択する道に後悔はないと確信して生きることで、また違った勇気を持って生きることができる気がします。

後悔を怖がる、後悔を恐れる時期を経て、今後は後悔の念がもはや今後一切形成されない人生であると確信して生きていこうと思います。

急に読者の方からサポートもらえてマジで感動しました。競馬で買った時とか、人にやさしくしたいときやされたいとき、自暴自棄な時とか、ときどきサポートください。古民家の企画費用にするか、ぼくがノートで応援する人に支援するようにします。