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字幕を活用して英語が喋れるようになる方法

「英語どうやって喋るようになったんですか?」はよく聞かれる質問ですが、私自身は英会話学校に通ったこともなければ、教材で勉強したこともありません。

仕事をしてゆく上で使う機会が増え、なんとか通じるようにと頑張るうちに自然に身についたというのが正直なところです。英語の勉強法はある程度自分が喋るようになってから他の人が悩んでいるところにどのように応えたらよいかの中で探求していった感はあります。
とは言うものの、今思えば、ひとつだけ仕事以外で英語の勉強と言えるかもしれないことをしていました。

そう。本人は勉強だとは思ってませんでしたが、そのやり方で身についたことを仕事でガンガン使っているので案外実用的な学び方だったのかもしれません。
それが映画などの動画における字幕の活用でした。どんなことをしていて、なぜそれが役に立ったと言えるのか、整理してみますね。

ステップ0:映画を選ぶ

英語の学習は継続が大切で、それもinputだけでは身に付かず、必ずoutputとのセットにすることが必要です。
そして継続できるためには、自分にとって興味がある内容を楽しみながらできることとできれば英語を使う強いニーズがあることが望ましいです。
ただ、なかなか日常生活の中で英語を使う機会や触れる機会が少ないのが日本の現実だと思います。

その意味では、映画や映像配信は格好の素材であり、これを使わない手はありません。
そして素晴らしいことに、今は映画館に行ったりレンタルに行かなくても映像配信がありますし、ウェブ、YouTubeやアプリで無料の映像コンテンツが巷に溢れています
つまり、現代は英語を学ぶための映像素材には事欠かないわけです。ただし、どんな素材を選ぶのかについては注意を払ったほうが良いかもしれません。

映像配信の中で何を選ぶのか良いかですが、実際のビジネスシーンや日常会話で使える英語を学びたいのであればストーリー性がある映画が良いでしょう。
TEDやイベントのキーノート・スピーチの様なビジネスプレゼンテーションはプレゼンテーションが上手くなりたいというのであれば良いですが、やり取りがないのと、どのような場面で使われる言葉なのかがキャッチしにくいのであまりお勧めしません。

そして、映画の中から何を選ぶかについては、使っている言葉や話すスピードがどのくらいが自分にとって聞き取りやすいのか、真似しやすいのかから選ぶと良いです。
昔は映画はスラングを使っているものが多かったのですが、最近の映画やドラマで使われる言葉は比較的綺麗な言葉を使っていることが多いので、R指定がついていなければおそらくどの映画を選んでも大丈夫ではないかと思います。

古典的な名作、例えば「ローマの休日」とか「マイ・フェア・レディ」は綺麗な英語を使っているので教材としては適しています。最近では「プラダを着た悪魔」を薦める人も多いですがかなり話すスピードが速いのでついていけない人も多いかと思います。あと「マイ・インターン」あたりもお勧めできるかな。

私の場合は、たまたまクリストファー・ノーラン監督の作品が好きだったのでそれを愛用しました。言葉や表現の適切さやスピードが私にとってはちょうど良い感じでした。「インセプション」、「ダーク・ナイト」の三部作、「インターステラー」あたりはお薦めできます。
…が、人に勧められて選ぶのではなく、自分が好きな映画や映像作品を選ぶのが一番です。興味を持って英語に接することができますので。

ステップ1:日本語字幕つきで普通に観る

作品を選んだら最初は日本語字幕つきで普通に通して観ましょう。
これは、ストーリーや文脈を理解するために観るものです。

この段階ではセリフは覚える必要はありません。
英語でどう表現してるのかも流して聞いてるくらいでOKです。

このあと何回も同じ映画を見ることになるので、物語の流れを理解し、各シーンでどんな話が展開しているのか、各シーン・各場面の意味について記憶するために観ます。

例えば、お葬式の場面が出てきたとして、それは誰のお葬式なのか、なぜ亡くなってしまったのかなどのコンテキストを理解するために観ている感じです。

…なんて、あまり考えずにストーリーに興味を持って、それが頭に入るようにしながら純粋に楽しんでもらって良いかと思います。一回目は。

ステップ2:英語字幕をつけて観る

次の段階は、日本語の字幕ではなく英語の字幕をつけて観ます。
通して観なくて良いです。シーンや場面で切ってその部分だけ何回も繰り返し見るということで良いでしょう。

この目的は、「なんと言っているのか」をキャッチするためです。
一回目でストーリーを理解し、どんなことが語られているのかはわかっているので、英語で何を喋っているのかを掴むために英語の字幕を表示するのです。

ここでやらない方が良いのは、日本語の字幕と切り替えながら観ることです。
日本語字幕がないと何を言ってるのかわからないようであれば、もう一回ステップ1に戻って日本語字幕つきで通して見直してください。
大事なのは、どのような場面でどんな言葉が使われるのかを理解することであり、日本語で理解していることを英語で言ってみることではありません。
極端に言えば、日本語にしたらどうなるのかはさておき、英語で使われている言葉さえ分かればそれでOKです。

ステップ2は、それだけでは終わりません。
そのまま、英語の字幕を読みながら俳優が話しているのと同じタイミングで声を出してみましょう。
最初からそれをやるのは難しいかもしれませんので、俳優が話した後で声に出してみるというのでも結構です。徐々に俳優が発声するのにシンクロさせてみてください。同じスピード、同じトーンで話せるようになるまで繰り返します。

ステップ3:字幕なしで観る

次のステップでは、いよいよ字幕なしで観ます。
もうそろそろ、ストーリーもどんなセリフなのかもおおよそですが頭に入ってきている頃ではないかと思いますが、このステップで最初にやるのは正確に聞き取れているかの確認です。
具体的にはディクテーションですね。

手順は、あるシーンや場面で切ります。そうですね、数分で良いと思います。長くても10分以内。
そうやって切り出したシーンの中で字幕なしで俳優が話しているのを聞き取り、手元のメモやパソコンへのタイプでなんと言っているのかを書きとってゆきます。
セリフが長いのであれば、一時停止ボタンをうまく使って再生を止めたりしながらやってみて下さい。

書き取れたら、もう一回英語の字幕をつけてそのシーンを観てみます。そして自分がきちんと聞き取れていたかを確認します。スペルが合っていたのかも確認できるので、語彙力を上げる役にも立つでしょう。
ディクテーションはやるのが大変ですが、確実に英語の聞き取りとボキャブラリ構築、作文能力を上げますので、最もおすすめのトレーニングです。

ここまでやると、場面とそこで使われるセリフがすっかり頭に入ってくることだと思います。
もう、字幕なしで観ながら、俳優になったつもりで各シーンでのセリフを俳優と同時に発声してみましょう。映画の世界に浸って役に成り切ってみるのです。

映画を見ながら俳優とシンクロして言葉が出るようになれば、不思議なことに映画の中ではなく同じような現実の場面でそのセリフが自分の中から出てくるようになります。
これは、自分自身が映画の中の経験を疑似体験しているからであり、場面が頭に染み着いているので、その場面でふさわしい言葉が自分の中に刷り込まれた状態になったということでもあります。

目指すのはこの状態で、この状態になるまで、何度でも同じ映画、同じシーンを繰り返し、字幕を入れたり切ったり切り替えたりしながらをしてみて下さい。


いかがでしたでしょうか。
ハードル高いなぁ…とか思われた方もいるかもしれません。
何度も繰り返し観れる自分の好きな映画を選ぶのがコツです。

英語の学び方は、映画でなくても、ラジオでも本でも良いかもしれません。聞いていて、見ていて、読んでいてその世界観に入り込めるものであるならば、私はなんでも良いと思っています。
おそらく映画が一番世界観に入り込みやすいので、お勧めしている次第です。

人が言葉を学ぶときのことを考えてみて下さい。
幼児が言葉を覚えるのは、大人の言ってることを意味もわからず真似るところから始まります。そして、どのような場面でそれが使われるのかを繰り返し使われてることから理解したり、使い方がおかしいと大人が教えてくれたりすることで、特定の言葉を使うべき特定の場面を学んでいます

映画や映像作品は、字幕を活用することでこの学習法と同じ体験ができます。
すなわち使われる場面と使われる言葉を知り、刷り込むということです。

できれば、場面ごとに使われる言葉を複数覚えると、さらに実用的です。
というのも、同じような場面で交わされる言葉は現実世界ではさまざまですので。
例えば、ホテルのチェックインをするときにも、ホテルのコンシェルジェが言ってくることは国によってもホテルによっても違うでしょう。
応用が効くように、同じようなシーンが出てくる映画を複数見て、こんな言い方もあるのかと知っておくと良いですね。

さて、英語の学び方については、今回のnoteの他にもこれまで幾つか書かせていただいてきました。
具体的には、英語の学習方法に関する考え方について述べている有料note、英語の文章を日本語的にしっくりくる言葉に翻訳することについて書いたnoteあります。
いずれも私が外資系企業で仕事を通じて学んだ英語学習に関わる内容になりますので、興味がある方は是非ご覧になってみてください。

また、「英語の学び方セミナー」をメンバー限定でときどき開催しています。コメントをいただければどんな内容、進め方で行うものなのかを説明させていただけるかと思いますので、遠慮なくお問い合わせください。

今回のnoteで、読まれたあなたが英語を学ぶことに少し興味を持てる様になれたら素敵だなって思います。

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