日本語教育の方法 教師の評価

日々の疑問。

今、私は非常勤講師として働いているのですが、日本語教師の評価ってどのようにされているんだろうかと思っています。

巷では「教師の質が~」とか「学生からの評価が~」とかそういった声をよく聞き、非常勤講師に求められる世間の教育レベルって結構高いのかなと思います。

しかし、実際の日本語学校(少なくとも私の行ったことのある3校)は、非常勤講師の評価以前に、コマ数の話があり、このコマに入れるかどうかが、非常勤の先生に対する最大の評価ポイントなのかなという印象です。

専門学校で日本語を教えていた時は、学生アンケートも、常勤の授業見学も一切なく、授業内容は進捗状況(要は次の先生への引継ぎ)の報告のみでした。

ある学校では「大卒の資格がない」という理由で、授業内容にかかわらず契約打ち切りになってしまった先生もいますし・・・。

変な話、余剰分までしっかりと準備をして臨む先生と、ひたすら与えられたカリキュラムの進行を優先する先生とは、学校側からすると同価値で、給料などにも特段影響を及ぼさないものなのだなと。

そして、授業スキルは必ずしも非常勤→常勤を保証するものでもないということ。

常勤は、むしろ幅広い仕事への対応力。マネジメントであったり、普段の非常勤の業務からはなかなか見いだせないところを求められます。

となると、SNSやnoteなどで日々繰り広げられている「教師として」という様々な意見は、いったいどこに還元されるというのでしょうか。

以下、私なりの考えです。


私が授業に工夫を入れよう、準備しようとするのは、基本的に学校のためでも、もっと言うと学生のためでもありません。自分のために準備しています。

ここ半年くらいは、聞かない学生を聞かせるというようなところに気合入れず、自分が気持ちよく授業を回すことだけを考えています。

とてもエゴイズムなんですが、そうでもしないとスキルを上げたいと思わないです。

学生に合わせて授業をするなら、多人数教室で行おうとは思わないです。

多人数教室だからこそレベルに合わない学生はいるし、ニーズに合わない学生もいます。

彼らに強制力を働かせて授業を聞かせることは可能ですが、それは果たして「聞く」なのでしょうか。本来は大学生くらいの年齢の学生たちは自分で選ぶ能力はあるはずです。

私にとって、多人数教室での授業はあくまで「個人のニーズを知るためのきっかけづくり」に過ぎず、意図的に紋切り型の授業をしています。

その中で学生たちの興味や関心がつかめたら、そこに対するアプローチは授業買い、つまり休み時間です。そのニーズに対してアプローチしていって、私自身の役割を探っています。

でも、これも学生のためというより自分のため。自分がいい授業をするためには、学生に親しみを持ってもらうこと、そしてトークしながら、最終的に学生が進んで授業を引っ張って行ってくれればいいなという願望からです。

私の授業は、学校からも、常勤からも、学生からも評価されなくて構いません。自分が満足いく時間を作ることができれば、それで成長できます。

誰からも評価されない、でも評価をしてもらうのは何か違うというようなモヤモヤを抱えるより、この考えに至ってからは楽になります。

自己満足のために授業する、そのために準備する。

自己満足のためには、学生にできるだけ参加してもらう。そのために学生の参加を促すしかけを準備する。


こういった活動を通して、いい授業が一つでも多くできればいい。そして、卒業する学生の中の何人かと今度は一緒に仕事ができればいい。

授業準備は、今何とかするものでなく、未来への投資のようなものです。だから、毎日ちょっとずつ積んでいくものだと思っています。


ときどき、SNSで「日本語教師たる者」についての熱いコメントを見ます。そのたびに自分にはなんでこの人みたいな情熱がないんだろうと悩んでいましたが、今はこんな結論に収まっています。

ひとりでも多くの外の人が「日本語教師は誰でもできる」というとっかかりをもち、教師不足の解消に寄与してくださると、きっとこの業界はもっと良くなると思います。

私は、いずれくるそのような先生方に負けないようにいろいろ考えるだけです。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

3
兵庫県在住の日本語教師。日本語学校と専門学校の非常勤。社会福祉士の経験を生かして、福祉×日本語教育の仕事を模索中。 ここでは、福祉分野の基礎知識や最新動向について、なるべくやさしい日本語でまとめ、この分野に興味のある全ての方々と交流したいと思っています。
コメント (1)
あまりの共感に私の気持ちを代筆してくださったのかと思いました。私も基本的に自分が満足できる時間のために授業をしています。いろいろな方法で彼らの興味を探り、拾って飽きない工夫をする。それで授業が動いていく。それでいいと思います。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。