松村沙友理篇 制作日記no.4〈前言撤回〉

2021年1月28日(木)

お疲れ様です。ご無沙汰しております。
制作日記no.3で〈虚実皮膜〉について書きましたが、あれから考えが少し変わりましたのでその報告です。


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▼前回の内容
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前回の日記で、「リアルとフィクションの境界を曖昧にするための作戦として、こんなことを考えています」というのを2つほどご紹介しました。

①松村沙友理以外の登場人物には名前をつけない

②松村沙友理の台詞は直接書かない

「どうよ!面白い策でしょ?」と、得意気に言ったのですが、執筆しているうちに考えが変わって(揺らいで)きました。

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▼保留にします
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まず、「①松村沙友理以外の登場人物には名前をつけない」について。

この物語の主な登場人物は〈沙友理〉〈沙友理の夫〉〈沙友理と隣のベッドの病人〉の3人です。
このうちの〈沙友理の夫〉と〈沙友理と隣のベッドの病人〉については、名前をつけない方がいいと思っています。

というより、つけたくないんです。
やっぱり、この人たちは「この世界に実在する誰か」であってほしいというのが僕の願望です。

ただし、これが作品にとって本当に正しい選択なのかまだわからないです。

例えば、今のところ〈沙友理の夫〉を語り手にして執筆しているのですが、もしこれを「誰でもない第三者」による客観的な語りにするとしたら、どうしても登場人物に名前が必要になってきます。

結論、「松村沙友理以外の登場人物には名前をつけない」については、他の要素と複合的に検討していきます。

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▼前言撤回します
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次に、「②松村沙友理の台詞は直接書かない」についてですが、これはやめます。

前回の日記でそれらしい理由を言っていますが、よくよく考えるとあれは理由になってません。

「外側の人間と内側の人間」というのは、確かに僕が描きたいテーマなのですが、そのことと松村沙友理の台詞は直接書かないってことは無関係ですよね。

「僕の思い描いている松村沙友理」と「本当の松村沙友理」の間に距離があるかもしれない、という怖さがあるのは事実です。

でも、小説を書くと決めたなら、その怖さに立ち向かわなきゃいけない。そこで逃げたら意味ないなって思い直しました。

結論、松村沙友理の台詞もちゃんと書きます。むしろそこが勝負どころです。

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そりゃそうだろって話ですが、書き始めてから気づくことがめちゃくちゃあります。
正直もっとスラスラ書けると思ってたんですけど、甘々ちゃんでした。

では、また後ほどお会いしましょう。


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