松村沙友理篇 制作日記No.2〈書き始めます!〉

2020年12月22日(火)

お疲れさまです。ご無沙汰しております。

制作日記No.1で「なるべく早めに暫定のプロットをお見せします」と言ってから5ヶ月経っちゃいました。いまどんな状況なのかご報告します。


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【いつ書き始めるのか】

当初の予定では、ストーリーの展開をまず決めて、それに沿って小説的な表現を肉付けしていこうと考えていました。しかし、がっちり展開を固めようとすると、それまで脳内でゆる~く統合されていたイメージが途端に散り散りになってしまうんですね。もどかしいです。そんな時に、坂口安吾のエッセイを読みました。安吾は「筆が進めば書いて、思い悩んだら休む。そのうちに登場人物たちが勝手に動き出す」的なことを言っています。ナルホド。というわけで、頭の中で温めるのは終わりにして書き始めてみます。

【主要な登場人物】

〈沙友理〉

・モデルはもちろん乃木坂46の松村沙友理

・元アイドル(2021年にグループを卒業)

・卒業直後の結婚発表がきっかけで大炎上し、そのまま芸能界引退。それから30年のあいだ表舞台に一切出ることなくひっそりと暮らしていた。

・現役時代に「30歳で卒業&芸能界引退して、60歳で可愛いおばあちゃんアイドルとして再デビューしたい」という夢をメディアで言ったことがあった。実際にそんな人生だったらいいなというぼんやりした希望を持っていたが、恋、結婚、炎上、芸能界引退を経て完全に忘れてしまっていた。

〈沙友理の夫〉

・生い立ちや経歴のモデルはほとんどshowroomの前田社長。そこにバナナマン設楽さんの雰囲気をちょっと混ぜたイメージ。

・コンプレックスをバネに不断の努力で突っ走ってきた若手実業家(乃木坂も参加している動画配信サービスを開発した)。

・そんな彼が生まれてはじめて燃えるような恋に落ちた相手が当時人気絶頂のアイドルである沙友理だった。

・卒業直後に結婚発表したのは彼の意思。沙友理を愛しているのだからその決断は間違いではなかったと思いつつ、30年経っても「“普通の女の子”ではないキラキラしたアイドルとしての沙友理を奪ってしまったという呪縛」と「沙友理を一生幸せにする使命」を背負い込んでいる。

・物語の主観(語り手)

〈病室の隣人〉

・モデルは僕(ただし性別は未定)

・生まれてはじめて心からのめり込んだものが乃木坂46であり推しメンの沙友理だった。

・新卒採用一年目の時に沙友理が卒業を発表。空っぽになってしまった心を埋めようと仕事と酒に明け暮れる。およそ30年経ったある日、長年の無理がたたり職場で倒れ救急搬送される。

・検査の結果、入院することになる。自分とほぼ同世代で、端正な顔立ちの女性と隣のベッドになる。

・自分の死を意識した時、過去の記憶がフラッシュバックし、沙友理が「30歳で卒業&芸能界引退して、60歳で可愛いおばあちゃんアイドルとして再デビューしたい」と言っていたシーンを思い出す。

【大まかな展開】

結婚&芸能界引退から30年経ち59歳になった沙友理。検査のために少しばかり入院することになった沙友理は、むかし自分のファンだった人と隣になる。かつての推しメンとファンであるとお互いに気づかないまま二人は仲良くなる。

退院後も沙友理は定期的に隣人のお見舞いに行く。“沙友理の面影のある女性”(隣人はまだそれが沙友理だと気付いていない)との出会いによって遠い日の記憶を思い出すようになった隣人に、「60歳で再デビューする」というかつての沙友理の発言が蘇る。そこから隣人は沙友理の再デビューを見届けるという唯一の生きる意味のために病と戦い始める。

隣人との会話でかつての自分の夢を思い出した沙友理は、芸能界復帰に向けて動き出す。

沙友理の芸能界復帰の準備と並行して、隣人の病状は悪化の一途をたどる。

死の間際、駆けつけた沙友理は隣人の手を握る。隣人は死ぬ。

隣人が再デビューを果たした沙友理に送ろうとした手紙が出てくる。沙友理はそれを読む。

【不確定要素】

・隣人の病気(がん?)

・芸能界復帰に対してのそれぞれの思い

・死ぬシーンの描き方

・(文全体の印象を左右する)物語の最初と最後をどうするか

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僕は「アイドル」という存在に対していろんな思うことがあって、それは時として二律背反だったりします。せめてフィクションの中ではそんな二律背反を全て肯定して全員の幸せを叶えたい、というのがこの物語をつくる動機です。

くれぐれも未来予想とか僕の願望とかではなく、「こんな世界線のお話」だと思ってくださいね。(#ここ大事!)

では、また後ほどお会いしましょう。


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