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SaaSにがんじがらめになる世界

今の御時世でSaaSを全く使わないのは無理だと思うけど、あれもこれもブッこんでしまうと効率がよくなっているわけでもなく、自由度が増しているわけでもないんじゃないかな、と思ったり。

SaaSを使い込む弊害もあるのではないか

コーポレート・エンジニア界隈で著名な吉田さんの「社内ツールカオスマップ」を見てみる。サンプルとはいえ、ある程度の規模(社員数3桁)になると、SaaSを活用するとなったら少なくても10近く、多いと20を超えるSaaSが使われるだろう。

SaaSをたくさん使えば使うほど、内部統制の担保が難しくなる。IDaaSのような仕組みを使わないでいると、アカウント管理・認証認可の管理だけで死ねる気がする。はじめの一歩はここなんだろう。アカウント乱立されたら、苦しむのは情シスだろうし...

SaaSが乱立して動くだけでは、データが連携しない。連携しないと効率は絶対上がらないので当然データ連携がしたいが、APIでバケツリレーのようなことをやると、結構大変。バッチ連携と同じようなもん。

そうはいっても、iPaaSのようなサービスが出ているし、複数のサービスをGUIでちょいちょいとつなげてトリガー設定してレリゴーみたいなことが、ほぼノーコードでやれる時代は、もう目の前。その辺はバッチ連携とはわけが違いますな。

が、色んな業務に使うSaaSを入れて、どーにかこーにか認証及びデータ連携をゴリゴリに頑張るという字面だけ見ると、全然楽そうじゃない。ゴリゴリに頑張るために情シスの皆さん並びに現場が疲弊しちゃう恐れはないのだろうか。

正当なアプローチをとれば、複数のステークスホルダーのど真ん中に立って調整する人が必要になって、業務設計して調律せなあかん。その方に頑張っていただくわけですが、これはかなりきついポジション。地雷原の真ん中へようこそ、でござる。

複数のSaaSをAPI連携してフル活用する、それで得られるメリットってどこまであるのだろう。そいつにカチッとハマる業務設計をしなければならないコストは相当高い割に、メリットが見えにくい気がする。

バックオフィスの業務って基本的に独自性が高くない。A社とB社で全然バラバラってことはない。裏返すと、ツールを取り換えてもやること変わらないから、お金をかけてスイッチするメリット is 何、になりがちでは。

それに、連携をがっちり組んだら、連携先のSaaSは外せなくなるんじゃないかな。仮にSaaS乗り換えをしたくても、組んだ連携を外してやり直す意味ないよね。ある意味、自分でベンダーロックインを推進してる気がするけど、それはリスクにはならないと考えてよいものなのかな。取り外せるようで、取り外せないと思う。

僕は開発の人間なので、めんどくせぇ全部kintoneによせて関連レコードで全部繋げて可視化すれば大体の要件は満たせるだろって思っちゃう。アプリ100個作っても料金変わらないし。SaaSは増やせば増やすほどコストが上がるし、アカウント管理の手間が増えるし、あまり良いことが無い気がするけど、どうなんやろ。

SaaS導入でコスト削減!っていう文脈で語られることは少ない気がする。多分、入れただけじゃ下がらない。このSaaS入れないと達成できない成果は何かを見出す必要があるとしたら、完全にヒトの問題になり、問題の解像度をどうやって上げましょうかみたいな話になりそうだな〜。地味〜。

自分はSaaSでがっつり連携してる現場に立ち会ったことが無いので、今まで書いたことは仮説にすぎないです。そんなことは杞憂ですが、で終わるのがベストですよというオチで、失礼します。

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