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DSBにチャレンジ6 グッディ柳瀬さんの『なぜ九州のホームセンターが国内有数のDX企業になれたか』を読んでみた。(後編)

ただいま、理由あってDATA SABERにチャレンジ中です。で、DATA SABERに認定されるためには、導く力の証であるコミュニティ活動の一環として、Tableau関連のブログ記事の投稿が求められており、こうして書いている次第です。

今回は、グッディの社長である柳瀬さんの『なぜ九州のホームセンターが国内有数のDX企業になれたか』を読んでみましたので、その内容を2回に分けてご紹介します。

で後編ですが、この本は大きく4つのパートに分かれています。

①グッデイが以下にDXを推進したのか。苦労話

②グッディで行われているDXの実際。社員へのインタビュー

③グッデイで使いこなしているシステム、ツールの紹介
  Googole Workspace, Tableau, BigQuery

④DXを推進している方たちとの対談

で、今回は④のなかで、グッディの柳瀬さんが、ワークマンの土屋さんと対談されている内容が収録されているのですが、こちらが大変刺激的な内容になっていましたので、ご紹介します。

まず、お二人の共通点など、出身大学学部が同じで、その後就職した企業も同じということです。ただし、お二人とも根っからのデータサイエンティストではありません。が、データに自ら触れてデータの利活用を率先して推進しています。

で、お二人の対談で冒頭で土屋さんが柳瀬さんに対して、システムアーキテクチャの筋が良いという指摘をされていた点がなるほどなと思いました。グッディでは、自社の情シス部門を直営で立ち上げ、内製化、しかもSaaSを利用するが、余計なカスタマイズもしないし、システム連携なども密に作るわけでもなく、シンプルに各サービスを繋いでシステムにしているのアーキの考え方がいいねと。この観点をトップ自らもっているので、DXに成功するのだなと思いました。

それから、データがあるからデータ分析しようということではなく、何をしたいのか、業務の課題が何かをはっきりさせて、そのためにデータを利用するという観点をもっているということもよい目線をもっているなと思いました。対談の中でも

「データ分析は目的と結論ありきですよね。本来、ビックデータ自体ゴミなんじゃないかとおもうんです。同質的なデータで結論が出ないものは、300件だろうが、30万件だろうがゴミだと。」(土屋さん)

「分析しても何も変わらない変えられないなら、やる意味はないと思います。要は、全て「目的変数」と「説明変数」の相関関係に帰結するんじゃないかと思っています」(柳瀬さん)

いや~これもよくぞ言ってくれたな感じました。そうなんですよね。未だに、こんだけデータがそろっているんだから、分析したら何か画期的なことがわかるんじゃないかとあらぬ期待を抱く経営者が多い中、このお二人はデータを活用する意味や意義をしっかり理解している点がいいですよね。

もちろん、すべての課題や問題が線形回帰で解けるわけではないのですが、厳密に予測や因果関係を特定するのではなく、大方この方向で試しに施策を打てるかどうかがわかればよい。あとは、アクションした結果をちゃんとFBして検証すればよいのだ。それがビジネスだよねという割り切りが出来ている点。これであれば、データ活用に対する投資も無駄にすることなくできますよね。

あと、正しいKPIの使い方をしている点も御意を得ました。

「ワークマンの目的変数は、売上でも利益でもなく、客数なんです。売り上げを目的変数にした場合、商品単価を2900円から3900円に上げるということをしてしまう。」(土屋さん)

これもあるあるですよね。多くの企業がKPIをたくさん作ってKPIドランカーになったり、あるいは、施策を打って操作可能なものをKPIとしなければならないのに、施策の打ちようがないものをKPIにしがちなのですが、その点キッチリやられているところがすごいなと思いました。

ということで、ワークマンもグッディもDXに成功した、データ活用が進んでいる企業という評判ですが、それを支えているのは経営TOP自らデータ活用について学び、理解し、実践しているからなんだなあと、この本を読んでみて合点が言った次第です。 おすすめです。この本。

おわり。


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