小型でハイパワーの壁コンセント規格を日本メーカに作ってほしいな

「最後会場に電源変換プラグを忘れる失態。PC電源切れの中、スマホパワポで作図しようとしたけど無理だった!」[1]という某先生の叫びにこたえてみたい。

海外に行かれた方は、電気製品の互換性のなさに泣いた経験を1度や2度はお持ちだろう。100V-220Vに対応するアダプターのおかげで1980年代の悲惨な状況(註1)は解消されたもののプラグ形状の差異は残された問題で、某先生のような悲劇もおこる。

さて、なぜ電源プラグは統一できないのだろう。100V-220Vのアダプターはどの電源に接続しても安全に使用できるから、後は電源プラグの形状を統一してしまえばよいはずだ。答えは安全性の問題があるからだ。

100V-220V対応のアダプターであればどの電源に刺しても問題はない。しかし100V用機器を220Vに刺せば最悪性大に炎上するし(運がよければ内部のヒューズが飛ぶだけだが)。

特に大電力の場合、プラグ部分の発熱が大きな問題になる。通常ブレーカーで電流の上限が制限されており、その電流であればプラグの発熱が一定限度を超えないので、温度も上限を超えない、という形でプラグの安全性は保たれている。電圧がばらばらなので電流の上限もばらばらだ。

規格がばらばらの場合、共通規格をつくるにはすべてを満たす最大容量にするのが基本である。そうすればそのプラグはどの国でも安全に使うことができる。しかし、全規格を満たそうとすると、当然そのプラグ形状は最大容量の規格に合わせなければならないから、最低でもイギリスのごつういプラグ以上のものになってしまう。そんなごついプラグを共通プラグとしてもだれも使わないだろう。

そこで個人的に提案したいのが、プラグ側に保護回路をつけた規格を作ることだ。問題はプラグの発熱なので、プラグ側に温度センサーをつけて一定温度以上でシャットダウンするようにすれば、どのソケットに接続してどれだけ電流を流しても、安全性は保たれる。

そのような共通プラグの形状はというと、5A程度を上限とし、現在使える最高の材料を使えば、接点面積は1平方ミリもいらない。USB並みのごく小さなプラグで用がたりるはずで、ソケット側のコストは低く抑えられるはずだ。

こんな感じ

画像1

こういうのは日本のお家芸なので、ぜひそういう規格を作って世界に提案すれば、けっこういい商売になるんではないかと思うのだけどね。

註1
110V機器を220Vに刺して炎上させたりした事件もあったし、「米国製コンピュータは信頼性がないな~」としたり顔で言う上司に「すいません、そのコンピュータの電源は110V用だからスライダックを入れないのが問題じゃないかと」と進言して飛ばされたりと悲劇はたえなかった。


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