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SAが起こす小さな現場革命 Part1:SAってなんだ?

私、えいる は2022年3月に転職して、あるベンチャー企業でソリューションアーキテクト(以後、SA)という仕事をしています。

SAはまだ知名度が低く、どんな仕事?と聞かれるマイナー職です。

しかし今後のコンサルやIT業界で必ず必要とされ、数年後は注目職の1つになると私は確信しており、SAの業務内容、必要性、活躍の事例を連載形式で紹介していくことにしました。

  • クライアント要望を理解しきれず、適切な見積もりや提案ができない

  • 受注後に想定外の作業・課題が多発して案件が炎上

  • PMとエンジニアの会話が噛み合わない(現場が険悪)

こんな悩みを抱えている皆さん、その解決策の1つがここにあります!!



SAが必要になったIT業界の課題と対応策


SAの業務内容、必要性を知ってもらうには、この職種が必要になった業界の動向を説明するのが一番の近道です。

そしてこれらは、ITの現場で現在進行系で発生している課題だと思います。


ITの普及によるクライアント要望の高度化

一昔前はクライアントにとってIT技術は未知の存在で、ITベンダーの提案に「ふむふむ、なるほど」と聞く側の存在でした。

ところがクラウドやスマホなどの技術が一般化し、ITが身近な存在になると「OCRを活用した効率化」「CRMを軸とした提案」など、話す側へと立場が代わり高度な専門用語も聞こえるようになりました。

こうなると提案側のITベンダーは、より高い知識と専門性が求められます。その一方で…


ライバル企業との競争、利益確保によるPMの現場離れ

ITの普及に比例してIT企業も年々増加し、90年代前半と比較して10倍以上と言われています。

ライバル企業との競争激化に伴いPMは「QCD管理と社内報告」「高精度の見積りの作成」といった利益確保に向けた経営業務が増え、クライアントや現場と技術で向き合う時間が徐々に減ってしまいました。

皆さんの現場でもクライアントよりも社内上層部と話している時間の方が、圧倒的に多いPMが増えていませんか?


サービス要求高度化、技術の爆速進化によるエンジニアの多忙化

PMが無理ならエンジニアならクライアントと直接向き合えるでしょうか?

最近のサービスはAIによる疑似会話など高度技術が普通に実装され、存在を知ったクライアントは「自分たちのサービスにも」と要望が急増します。

しかし、いざ実装となるとテストを中心に必要な時間は、難易度や複雑さに比例します。また、これらを実現するためにAWSやAzureなどのパブリッククラウドが提供するサービス類は爆速で進化を遂げており、利用者側は常に新しい仕様を学び、理解し、使いこなす必要があります。

このようにエンジニアは、要望の高度化と新技術への追従に手一杯で時間がどれだけあっても足りないのが現状です。


高度化するIT現場の救世主、それがSA


高度化するクライアント要望に向き合う時間が取れないITベンダーが抱えるジレンマを解消すべく作られたのがSAという職種です。

ここからはSAのポジション/ミッションを通し、その業務概要を紹介します。


ポジション:PMとエンジニアの間に立ち、常に全体を俯瞰して捉える

SAはマネジメントと技術の間に立って、全体を俯瞰して捉えた行動を得意とし、PMがマネジメント業務・エンジニアが開発業務に専念できる環境を構築します。

主にクライアントからの要望を0→1で実現する最初の1歩を得意とし、「要件定義」や「新規案件の実現提案」といった最上流フェーズで活躍することが多いです。

[行動例1]
クライアントが実現したい課題を受けて、要件定義としてシステム構想図を作成し、加えてリリース後のサービス運用をイメージすることでクライアントが見落としている機能不足や運用課題の発見と解決策の提案を行います。

[行動例2]
プロジェクトで回避不可な問題が発生した時、PMとエンジニア両者の意見を聞き、トレードオフや並行作業など影響を最小限に抑える対策案を提案します。また、サービスの全体像を把握し、追加に対する影響範囲と考慮漏れがないかをチェックします。


ミッション:プロジェクトを円滑化させ、全体最適を実現する

SAは、クライアント・PM・エンジニアの3者を繋ぎ、全体の歯車役としてコミュニケーションやプロジェクト進行の円滑化をミッションとします。

クライアントとのミーティングにはPMと横並びで参加し、要望に対して不足している課題など技術視点でのリスクを早期に発見します。また単に課題やリスクの提示に留まらずに、クライアント目線に立った解決策の提案までを行うことがSAの魅力になります。

決定した機能要件は、技術的な実現性に落し込み社内関係者に共有します。これによりPMはマネジメント作業に集中し、エンジニアはSAからの情報を元に実装を開始することができます。


おわりに

いかがだったでしょうか?

IT現場で今まさに発生している課題、それにSAが貢献できることに少しでも共感頂けたら嬉しいです。

今回は全体的に概要中心でしたが、今後はより具体的な行動や実績を記事にしていく予定で、次回はSAに求められるスキル・素養、その必要性について紹介します。

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