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時代が僕に追いつくのを待っている

「いい名前ですね。」
会った人からよく言われる。
でも、子供の頃から高校くらいまで、初対面の人から「いっせい」と読んでもらえることはほとんどなかった。
かずき、かずお、いっしょう。
商工リサーチの掲載情報ではなぜか「かずまさ」と書いてあった。
どう読んでもそう読めないけど。
なんて信ぴょう性の低いリサーチ会社だろうか。

なぜいっせいと読んでもらえるようになったのか。
理由は簡単だ。
俳優の高橋一生さんが人気になったからである。
逆にflumpoolが流行った時は、ドラムの方が同じ字で「かずき」と読んでいたから、よくそう間違えられた。

二十数年間生きてきて、ようやく僕の名前に時代が追いついたのだ。
高橋一生さんのおかげで。

僕はここ仙台の飲食界で新しい時代を作るために、2年前に独立し仕事をしている。
仙台は東北最大の都市ではあるが、最先端の街とは到底言い難い。
そんな仙台に新しく面白い食文化を提供するために、日本中・世界中の飲食店に常にアンテナを張っている。

Tooooo Lemonを開業する際、周囲からは猛反対された。
そんなコンセプトの店なんて今までなかった。
レモンサワーはまだしも、レモンなんて主役になるはずがない。

2年前、僕がTooooo Lemonの企画を温めていた頃、
東京では、LEMONADE by Lemonicaがものすごい勢いで知名度を上げていた。そう、タピオカブームより少し前に。
だが、仙台にLemonicaが進出してきたのは去年の12月。
タピオカ専門店がその勢いを失ってきた頃にようやく。
コロナで話題が埋もれてしまったが、仙台では今年レモネードブームが来るとのことでLemonica進出のタイミングで当店も何度かテレビや雑誌から取材を受けていた。
これは、僕がレモン/レモネードブームが来ると予見していたからに他ならない。

SABO Lab.でスイーツ団子を開発した際も、
東京オリンピック効果で和 × 洋のスイーツが流行ると予想し、東北でいち早く取り組み、多数のメディアにも取り上げてもらい、ものすごい本数の団子を売り上げることができた。(コロナの影響で現在は休業中)
少し流行りかけたチーズティーも、仙台初出店のチーズティー専門店(現在は閉店)がOPENする前に、当社では独自で開発していた。

だが、Tooooo LemonもSABO Lab.もこの程度の成果では、まだまだ満足できない。
他にないユニークなコンセプトの店や商品が、他社との差別化が今後さらに必要とされると思うし、
そうでない店は淘汰されていく。
今すぐに越したことはないが、
僕にはまだ時代を作るほどの実力がない。
今は追い風が吹くまでひたすらに待っている。毎日目の前のお客さまに向き合いながら。

本日もお越しいただきありがとうございます。
また明日お待ちしております。

2020.06.20 Issey Shibata

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