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『ある妻の寄せて歎く』品川陽子詩抄 (No.49)

ある妻の寄せて歎く

笑ふことにも
話すことにも
二人であることの
腹立しいこの頃です

たがひのこゝろを
かたく包みながら
私達は
たがひのおもひを知ろうと
裏をのぞくのです
他人ヒトがみたらたのしい
鬼ごっことも思ひませうか

笑っても
話しても
いつか退屈よりほかない
二人になりました

                           自筆原稿より




(『品川陽子詩抄』平成25(2013)年10月 
            柏崎ふるさと人物館発行 より)

#品川陽子 #品川約百 #詩  


※サムネイルの画像 出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」
昭和5(1930)年刊の『聚秀』です。
絵封筒のデザイン見本を集めたものと思われます。
(https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/data/post-87.html)


品川 陽子(明治38年(1905)12月6日―平成4年 (1992) 12月12日)
本名は品川 約百よぶ
新潟県柏崎町納屋町に生まれる
詩人
佐藤春夫に師事
兄に、本郷の古書店「ペリカン書房」の品川力、弟は、版画家の品川工


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