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『ひとによせて』品川陽子詩抄 (No.22)

ひとによせて

なにげなく置かれた本が
かつて私の知らなかった
魅力を持って
私の心に呼びかけるように

あゝいまだ開かれぬページが
私のこゝろをかくも
いら立たせて

あなたはまるで
閉ざされた本の魅力だ

                          タイプ原稿より


(『品川陽子詩抄』平成25(2013)年10月 
            柏崎ふるさと人物館発行 より)

#品川陽子 #品川約百 #詩

※サムネイルの画像 出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」
杉浦非水創作図案集
(https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/data/post-172.html)


「ひとによせて」は雑誌「音楽評論」1934年(昭和9年)2月、3月合併号に掲載されました。





          「音楽評論」第二巻第四號 昭和九年二、三月號より
                        日本近代文学館 所蔵



品川 陽子(明治38年(1905)12月6日―平成4年 (1992) 12月12日)
本名は品川 約百よぶ
新潟県柏崎町納屋町に生まれる
詩人
佐藤春夫に師事
兄に、本郷の古書店「ペリカン書房」の品川力、弟は、版画家の品川工

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