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UXリサーチの内製 vs. 外注

▪️デジタルプロダクトでは内製

デジタルプロダクトのためのUXリサーチャー/デザイナーは、デジタルサービス企業に所属して、リサーチとデザインが社内で行われる傾向が強いです。アジャイル開発なので、プロダクトマネジャーとエンジニアが一緒にいて、評価・設計・開発を高速で回さなければ、まどろっこしくてやっていられません。リサーチの外注先からの報告書を待って…などという暇はないわけです。

独立したデザインエージェンシーもありますが、大きく成長しているのはアプリ制作だけでなく事業開発やシステム運用まで一貫して手掛けられる会社のようです。そうした会社では、UXリサーチが重要でないとは言わないまでも、新事業設計のほんのワンステップにしか過ぎなくて、別にリサーチで稼がなくてもいい(後工程でたっぷり稼げる)事業構造になっています。

どちらにしても、リサーチしかやらない人の居場所はなさそうです。

▪️ハードウェア製品では外注

一方、製造業においても開発期間の短縮は大きな課題ですが、さすがに大量生産品の開発をアジャイルでとはいきません。やはりウォーターフォール型になります。量産開始というのはハードウェアの製品開発プロセスの中でも特別に重い意味を持つステップで、量産が走り出してしまったら「次回アップデートで修正」とは言っていられないのです。

開発チーム(メーカーの社内)にユーザビリティエンジニアリングやUXデザインの専門家がいてもいいのですが、それだけをやる人を抱えるほどメーカーはUXデザインに本気になり切れていませんから、必要に応じて外注することを考えます。

外注先となるデザインリサーチ会社も、業界のベストプラクティスを熟知していたりすれば、十分外注費に見合う価値を提供できます。ハードウェア製品のUXリサーチ/UXデザインの会社には、存在の意義と余地があるというのが私の考えです。

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